派遣業法を野放図に規制緩和してボロボロにした「構造改革」政治の功罪をそろそろ総括すべき時期ではないだろうか。

��厚生労働省が、今通常国会に提出する「働き方改革」関連法案のうち、非正規社員の待遇改善を図る「同一労働同一賃金」について、実施時期を1年延期する方向で調整していることが24日、分かった。中小企業の場合、罰則付きの残業時間の上限規制も、適用を1年先送りする。社員規定や賃金表の見直し、労働組合との交渉など、企業側の準備に時間を要することに配慮した。

 延期が決まれば、同一労働同一賃金は大企業では2020年度、中小企業では翌21年度からの実施となる。残業規制の導入は、中小に限り20年度まで猶予される。

 働き方改革関連法案の柱の一つである同一労働同一賃金は、パートや有期契約、派遣社員の基本給や賞与などの待遇について、正社員との間で不合理な格差を設けることを禁止。待遇に差がある場合は企業に説明を義務付けている>(以上「時事通信」より引用)

 40年以上前の最初に派遣労働が認められた当時、派遣労働者は「通訳」や「電算処理」などの特殊技能者に限られ、派遣労働者の賃金は本人に支払う報酬に加えて正規社員に支払われたとみなされる「福利・厚生」費も含めて支払われるべきとして、正規社員よりも高額な支払いを受けていた。
 それから数十年が経過するうちに派遣業法の「穴」は次第に大きくなり、それに連れて派遣労働者の待遇は悪化した。官僚たちの言葉に「頭出し」というのがある。それは新規事業の予算要求などで、当初から全体予算を要求するのは無理だとして、「事業実施影響調査」などの名目をつけて「調査費」として予算をつけて、それを「蟻の一穴」として穴を大きくして遂には本格的な事業実施予算を認めさせる、という手法だ。

 派遣規制も次々と穴を大きくされて、ついには「外国人労働移民」まで議論されるまでになってしまった。日本国民の労働環境は自らが選んだ自公の政治家によって自らの首を絞めている、という現実に気付いていないようだ。
 「働き方改革」などと、何かにつけて「改革」を叫ぶ安倍自公政権は「保守政権」なのだろうか。「同一労働・同一賃金」とは労働者の当然の権利だった。それを正規だ非正規だといって労働者を差別化し、次第に格差を設けていったのは自民党政権ではなかったか。

 安倍氏は施政方針演説で「非正規」をなくして、すべての労働者を「正規」にする、と発言した。その言葉は外国人技能実習生にも適用されるのだろうか。それとも日本国民にをのみ対象にしているのだろうか。
 もし日本国民の身を対象にした発言なら新たな外交問題化するだろう。それでなくても外国人労働者は技能実習だとか何かと理由をつけて安く買い叩かれている。それが国際問題化しない保証はどこにもない。

 外国移民に繋がる外国人労働者の受け入れは直ちにやめるべきだ。日本の伝統的な文化や慣習が廃れる大きな要因になり、社会の安定・継続性が損なわれかねないのは労働移民を早くに取り入れた欧州各国の「移民の問題化」を見れば明らかだろう。
 日本は周回遅れで欧州各国の移民問題を抱え込もうとしている。安倍自公政権の失政のツケを支払わされるのは世代間では安倍自公政権を支持している若年世代だ。彼らは「安定的な政権」として日本を不安定化させる政策を加速させている政権を支持している矛盾に気付いていない。

 「同一労働・同一賃金」として非正規・派遣労働者の賃金を引き上げる、というのは「チガウダロー」と叱り飛ばすべきだ。非正規・派遣労働者は本来は正規社員よりも高給を得て、福利・厚生のない不安定な雇用関係を補っていた。
 格差社会の悲惨なところは正規労働者が威張って非正規の不安定な立場の労働者を安く雇用していることだ。それは経営者対労働者の関係を職場の中にまで持ち込む、労働者の分断化に他ならない。

 そしてそのもっとも顕著な職場は官僚たちが威張っている公務員の職場だ。公務員の「臨時」「嘱託」採用の非正規職員の悲惨な待遇を無視している地方自治体の議員や国の国会議員たちは「働き方改革」で一体何を議論するつもりだろうか。彼らは自分たちの身の回りで働いている非正規労働者を知らないとでもいうのだろうか。派遣業法を野放図に規制緩和してボロボロにした「構造改革」政治の功罪をそろそろ総括すべき時期ではないだろうか。


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