戦勝国クラブの実態は戦争装置だ。
��北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が軍最高司令官に就任してから6年となる30日、党機関紙・労働新聞は論評で、「世界は2018年、自力自強(自力更生)の偉大な力を余すところなく発揮するわが国の姿に、さらに大きな衝撃を受けることになろう」と予告し、来年も核・ミサイル開発を一層進める可能性を示唆した。
別の論評は金委員長が推進している核開発と経済建設の「並進路線」を「英知と度胸の結晶だ」と称賛。「わが国の圧殺を狙った米帝の核恐喝策動は最悪の段階にある」と主張し、「どんな制裁・封鎖、軍事的威嚇も、われわれの前進を止めることはできない」と強調した>(以上「時事通信」より引用)
別の論評は金委員長が推進している核開発と経済建設の「並進路線」を「英知と度胸の結晶だ」と称賛。「わが国の圧殺を狙った米帝の核恐喝策動は最悪の段階にある」と主張し、「どんな制裁・封鎖、軍事的威嚇も、われわれの前進を止めることはできない」と強調した>(以上「時事通信」より引用)
平成30年の大晦日にあたって、日本の国家と国民の安全が日本政府により大きく毀損されている、という現実に目を向けない日本国民が余りに多いのに慨嘆するばかりだ。それも連日テレビに映し出される北朝鮮の「ミサイル」発射映像が功を奏していると思わざるを得ない。
もとより、北朝鮮のICBM発射実験は日本に向けたものではない。米国本土に対する攻撃兵器だ。それを日本の危機と報じることにより日本国民の戦争に対するアレルギーを慣らそうとしているとしか思えない。いつか来た道を確実に日本国民は安倍自公政府によって確実に歩まされている。
北朝鮮の「防衛戦略」は簡明だ。かつて米国と世界を二分して支配していたソ連は経済的な要因で崩壊したが、そのコアとなるロシアは今も軍事大国として米国と対峙する国家として存続している。同様に、中国も太平洋を挟んで米国と向き合う国として存在している。
彼らに共通する存在原理は「格」と「ミサイル」で米国本土を攻撃する能力を持っている、ということだ。それなら北朝鮮も「格」と「ミサイル」を保有すれば世界のパワーゲームの一員に参加できる、と考えたとしても無理はないだろう。
米国はソ連崩壊時になぜロシアを徹底的に弱体化しなかったのだろうか。なぜ日本政府は北方領土を買い取る意思を表明して、崩壊したソ連高官と取引しなかったのだろうか。
それらの答えは「敵対国が必要」だからだ。誰にとって必要なのか、それは米国の1%に取って、だ。もっと限定すれば、それは軍産共同体を支配する一握りの米国エスタブリッシュにとって「敵国が必要」だからだ。
軍産共同体を支配している者にとって「戦争ごっこ」が地球上からなくなっては困る。絶えず兵器を生産し続けて利益を生み続けるには戦争が必要だ。そして米国民にとっても「必要な戦争」を絶やさないためには目に見える敵国が必要だ。
だからソ連が崩壊しても、直ちにナトウ軍を進駐させてモスクワを陥落させることもせず、試合のボクサーがダウンした相手が立ち上がるまでニュートラル・コーナーで待機するように、米国はロシアが体力を回復するまでニュートラル・コーナーで待った。
国連もソ連の後継者としてロシアを受け容れた。同じことは国民党が中国内戦で敗退して台湾に退いた後に、中共政府を中国として受け容れたのと同じだ。米国は敵対する国が米国本土から「遠く」に存在する必要があるからだ。
いや米国だけではない。他の国連戦勝国クラブの「西側」と称するイギリスとフランスも敵国が必要だ。彼らはいずれも軍産共同体が支配する国だ。当然ながら、ロシアも中共政府の中国も軍産共同体が支配する国だ。
民主主義国家のややこしさは「敵国」が存在して、その敵国が米国本土を攻撃する「脅威」を持ち続けないと軍産共同体へ予算に注ぎ込む政府が支持を失って軍産共同体が瓦解することだ。だから米国民もロシアや中共政府の中国の核ミサイルが米国本土に向けられている、という認識をマスメディアなどによって絶えず洗脳され続けている。
国連を戦勝国クラブが、つまり核クラブが牛耳っている限り敵対関係は永遠に終わらない。つまり人類が平和は永遠に終わらないように彼らが仕組んでいる、ことに気付くべきだ。
北朝鮮の核クラブ入りに対する切望は米国とその仲間の西側戦勝国クラブたちによる「敵国」認知だ。北朝鮮はロシアや中共政府の中国と同様の「西側諸国」に対峙する「敵国」になることだ。そうすればソ連が体制崩壊してもロシアへと政権が移行するまで米国がニュートラル・コーナーに籠って攻撃しなかったように、たとえ金独裁政権が崩壊しても米国は北朝鮮を攻撃しない、と考えても不思議ではない。
日本国内のマスメディアには中共政府やロシアは「マトモ」だが、北朝鮮は「狂気の政権」だという宣伝しきりだが、中共政府が果たしてマトモだろうか。ロシアのプーチン氏が政敵を何人暗殺したか、彼を批判したジャーナリストを何人暗殺したか。プーチンが友人だと公言している安倍氏は果たしてマトモだろうか。彼らも金正恩氏に負けないぐらい狂気に満ちている。
戦勝国クラブ五ヶ国が核を保有して敵対しつつ世界を牛耳っている現実に目を向けたインドやパキスタンやイスラエルやイランが核クラブ入りを目論み、そして遅ればせながら北朝鮮も十ヶ国目の核クラブ国家に名乗りを上げた。そのどこが狂っているというのだろうか。
軍産共同体の狂気が支配する世界にあって、北朝鮮も狂気に駆られただけだ。彼は米国とロシアの関係をお手本にしたに過ぎない。それは戦時体制下の北朝鮮を永遠に存続させる仕掛けを国際関係の中で見つけたからに他ならないだろう。
金正恩氏のみが狂気の独裁者ではない。習近平氏もプーチン氏も、そして米国の1%エスタプリッシュのエージェンシーに過ぎない歴代大統領も充分に狂気に満ちている。彼らは平気で戦争を行い、戦争という名の大量殺人を指揮してきた。
日本の安倍自公政権もそうした狂気の支配クラブ国家入りを願っているようだ。「戦争法」や「共謀罪」や「特定秘密保護法」などは戦勝国クラブ入りを目指す仕組みの数々だ。そして連日日本の安全とは無関係の米国本土攻撃兵器ICBMの試験発射映像を繰り返し報道する日本のマスメディアも米国の軍産共同体のメッセンジャーボーイに過ぎない。彼らにとって戦争は必要なのだ。