歪められた「行政」。

<南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊部隊の日報を巡る問題で、情報公開請求に対し「廃棄した」として日報の不開示決定がされた後の昨年12月中旬以降に、陸自の情報システムに残っていた日報の電子データが削除されていたことが政府関係者への取材で分かった。また、情報公開請求に防衛省が日報を開示しなかったのは、1度だけでなく2度だったことも新たに判明した。

     防衛省の防衛監察本部は、一連の対応が情報公開法の開示義務違反に当たるとみており、関係者が処分される見通しだ。

     陸自部隊が活動した南スーダンの首都ジュバでは、昨年7月に大規模な武力衝突が発生した。直後にジャーナリストの布施祐仁氏が、派遣部隊と上部部隊の中央即応集団(CRF)の間でやり取りされた文書を開示請求した。

     しかし、政府関係者によると、CRFの幹部は日報が開示文書から「外れるのが望ましい」と部下に指示し、日報以外の文書しか開示されなかった。布施氏が同9月末に改めて日報の開示を請求した際も、前回の対応を踏まえて12月2日に不開示決定がされたという。

     CRFは日報を基に別の報告書を作成した後、日報を廃棄していた。ただ、12月12日に自民党の河野太郎衆院議員から不開示決定に関する資料要求があった際、インターネットの掲示板のような陸自指揮システムに電子データが残っていることが分かった。陸上幕僚監部の担当幹部が「適切な文書管理が必要」と指示し、掲示板からデータが削除されたという。

     陸自内ではこのほかにも隊員が掲示板から日報をダウンロードしていたことが、今年1月中旬に判明した。この事実は1月27日に統合幕僚監部の幹部官僚を通じて黒江哲郎事務次官に伝えられたほか、2月15日には改めて岡部俊哉陸上幕僚長が黒江氏に説明。しかし、あくまで「個人用データ」であるとして非公表とすることが確認され、残っていたデータも幹部の指示で削除されたという。

     一方、陸自内での保管の事実は2月13日と15日に稲田朋美防衛相にも報告されたとされているが、稲田氏は自身への報告の事実を否定している。防衛監察本部が特別防衛監察の結果に稲田氏の関与をどう認定するかも焦点となっている>(以上「毎日新聞」より引用)


     自衛隊がPKO活動の一環として派遣された南スーダンで軍事衝突があったのは歴然とした事実だ。国連職員の宿舎とされていたホテルなども襲撃されて、多くの国連職員が命を落としている。

     自衛隊が武力衝突に巻き込まれて武力を行使し、自衛隊員が海外で殺し合いを演じる瀬戸際にあったことはこれまでも客観的な報道から多くの国民は承知している。しかし政府だけが「武力衝突という事態に当たらない」とか「紛争地域ではない」とか言を左右して国民を騙し続けていた。


     そうした政府・防衛省に対して命を張っている現場の自衛官たちが事実を日の下に曝したい、と願うのは当然の理だ。しかし稲田防衛相は現場の自衛隊員の願望を無視した。自衛隊を南スーダンに派遣した政府にとって都合が悪いという理由からだ。

     時恰も安倍自公政権は「駆け付け警護」という「戦争法」を強行可決したばかりだった。自衛隊員が一人でも「戦死」したなら安倍自公政権はフッ飛んでいただろう。安倍自公政権にとっても瀬戸際の事態に直面していた。


     しかしマトモな政権は瀬戸際を歩き続けたりしない。国民の生命と財産を守るのが政権の一義的な使命なら、泥沼の紛争地へ武装組織を派遣したりしない。しかも日本国憲法には「国際紛争を武力によって解決しない」と謳ってある。「意に従わないモノは武力により屈服させる」という米国とは真逆の生き方が日本国憲法に明記してある。

     だから米国との同盟関係をことさら強調して共同訓練などに血眼になる安倍自公政権は憲法に反するばかりか、国民の命を却って危険にさらしている。


     稲田防衛相は嘘を覆い隠すために防衛監察を実施したが、本来は指揮した防衛相は監察対象から除外されるのだが、今回は防衛相も対象にすると決定された。至極当然のことだろう、なぜなら日報破棄の一環に稲田防衛相の吐いた嘘が関わっているからだ。

     国会答弁を欺き、国民を騙す大臣は言語道断だ。閣僚は誰のために働くのか。安倍総理に任命されていても、彼らは国民のために働き国民に対して責任を負う。稲田氏は自衛隊の最高指揮官たる安倍氏の意を「忖度」して派遣した当地は「戦闘地域ではない」と嘘を吐いた。


     嘘は事実必ず祖語を生じる。祖語の辻褄を合わせるために次の嘘が必要となる。そうした嘘で塗り固められたのが稲田防衛相の国会答弁だ。小学校のホームルーム以下の国会答弁はもはや一国の政府の体をなしていない。

     安倍自公政権は恥を知るべきだ。山本幸三氏も閣僚として嘘を吐き通せるとでも考えているのだろうか。何という愚かな連中ばかり集まった内閣だろうか。私が知る限りでこれほどモラルの崩壊した内閣はない。


     長靴を忘れて職員にオンブしてもらった政務官や、碌に提案した「共謀罪」法案を説明できない法務大臣や、金額の記載のない領収書も「有効」だという非常識総務相等々モラル崩壊した事例の枚挙に暇がない。

     そうした閣僚の最たる者が「違憲改憲」も合法だと強弁する狂気の沙汰を演じて恥じない安倍総理だ。彼は政治家としての根幹にかかわる憲法服務規定に反している。即刻、政治家を辞すべきだ。彼らこそが「行政」を歪めた張本人だ。



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