これが「戦勝国クラブ」国連の実態だ。

<「シリアへの新たな攻撃を避けることが極めて大事だ」。会談冒頭、こう強調したラブロフ氏は「味方になるか敵になるかという誤った選択肢を強要しないでほしい」とけん制した。ティラーソン氏は「会談を通じて我々の違いを議論し、相違点を縮める可能性を探る」と応じるにとどめた。

 会談は約5時間におよんだ。ティラーソン氏は会談後、ラブロフ氏とともにプーチン大統領と面会した。

 アサド政権による化学兵器使用の証拠はないと主張し「国連安全保障理事会の決議のない主権国家への攻撃は2003年のイラク侵攻と同じ状況だ」と非難。「米国の同盟国は分析なしに攻撃を支持した」と指摘した。 シリアとロシアに圧力を強めることで一致した11日の主要国(G7)外相会合を受け、ロシアは態度を硬化させた。インターファクス通信などによると、プーチン氏は12日夜放送予定のインタビューで「トランプ政権になって実務レベル、特に軍事レベルの米ロの信頼関係はむしろ悪化した」と批判を強めた。

 ロシアは、米国が北朝鮮に対しても武力行使に動くことを警戒する。外相会談の直前、ロシアのリャブコフ外務次官は記者団に「ロシアは北朝鮮を巡る情勢も懸念している」と述べ、外相会談で取り上げると言明した。

 米国の対ロ強硬姿勢には、国内の政治情勢が作用している。トランプ氏は13年にオバマ前政権がシリアの化学兵器使用を巡り軍事行動を見送ったことを批判。米大統領選へのロシア介入疑惑で政権幹部に米連邦捜査局(FBI)の捜査の手が伸び、支持率が40%未満に落ち込むなか、ロシアに強く出る必要がある。

 北朝鮮に対し、「一線を越えた」場合に実力行使に出る可能性をみせつける狙いも透ける。米中首脳会談のさなかに攻撃に踏み切り、中国の習近平国家主席にも北朝鮮への影響力行使を迫った。

 米国の作戦が限定的だったため、現時点でシリアやロシアは軍事的な反撃を控えている。今後、ロシアが対話に応じる姿勢をみせれば、過激派組織「イスラム国」(IS)掃討や北朝鮮問題などで連携の余地も残る。米政府高官は今回の米ロ外相会談でのティラーソン氏の目的は「(対話の)機会を探り、大統領に報告することだ」と語る>(以上「日経新聞」より引用)


 シリアのサダト大統領を支持して反政府勢力ISIS掃討に協力していたロシアのメンツを潰した米国による政府軍空軍基地攻撃に対して、ティラーソン米国務長官は弁明の旅にロシアを訪れた。

 北朝鮮への制裁と核兵器保有の放棄及びミサイル開発の停止などを巡って、米国は「斬首作戦」などの強硬姿勢に出る、との観測が流れている。その場合に必要なのは中国とロシアの態度だ。


 米国が北朝鮮を攻撃した場合に中国やロシアが傍観しているのなら良いが、中ロは国境を接している北朝鮮の体制が崩壊したなら大量難民の流入などの大きな影響を受ける。かつてロシアも中国も朝鮮半島を侵略しようとして日本と戦争になった経緯がある。

 その朝鮮半島を米国が完全に勢力下におくなどというのは領国にとって悪夢以外の何物でもないだろう。特に中国は瀋陽地区の数千万人もの朝鮮族が反政府活動に立ち上がらないとも限らない。


 それかといって中ロが北朝鮮を甘やかしてきたのも事実だ。北朝鮮の体制が崩壊しないばかりか核開発やミサイル開発してきたのも中ロのそれらの開発に必要な技術支援と経済支援があったからだ。

 鬼っ子を育てて韓国と日本と米国への軍事圧力の一助にしようとしてきたが、ここに到って育ちすぎた鬼っ子は自分の影響力を過信しているようだ。金独裁者は明確に韓国や日本の米軍基地をミサイル攻撃すると発言してしまった。


 口から出た言葉は取り消せない。北朝鮮は自滅への道をひた走るのだろうか。それとも立ち止まって「対話」の扉を開くのだろうか。

 しかしいずれにしても、核兵器とミサイル開発の放棄を北朝鮮は呑まざるを得ない。米国は本土が核攻撃される可能性を秘めた国がこれ以上増えることを決して容認できない。


 国連の安保理常任理事国は「戦勝国」と「似非・戦勝国」とを含めた五ヶ国から成っているが、すべてが核兵器保有国だ。世界平和を希求するとする国際機関が最も世界平和を破壊する核兵器を保有しているという矛盾について、国連は一切何も語っていない。

 国連は「戦勝国クラブ」に過ぎず、それらはすべて核保有する軍事大国だ。ことに中国とロシアは国民生活のレベルとかけ離れた超軍事大国だ。そうした軍事力による支配を行う国、つまり軍事力という恐怖による人権抑圧と他国への侵攻を認めないのが国連本来のあり方ではないのか。


 国連が北朝鮮制裁を行うのなら「核クラブ」に過ぎない「戦勝国クラブ」の安保理常任理事国の組織を改めるのが先決ではないだろうか。核保有国に世界平和を希求する資格があるのだろうか。

 核保有国の「核クラブ」は新メンバーの出現を「核拡散」と称して否定するのは余りにご都合主義だ。北朝鮮の核開発は世界平和への冒涜だが、「核クラブ」の国連安保常任理事国も世界平和を冒涜している。


 「核クラブ」のご都合で北朝鮮をどうするかを決めるのは決して世界平和のためではない。パワーバランスという軍事大国同士のご都合で独裁者の圧政で苦しむ国民の幸福を蔑ろにする議論には賛同できない。

 安倍自公政権も早々と米国の北朝鮮への軍事圧力を強める行動に自衛隊の艦艇を派遣するという行為もまた憲法に反する。どこまで安倍氏は憲法を無視すれば気が済むのだろうか。そして日本のマスメディアはいつから憲法無視の日本の政権を受け容れるようになったのだろうか。



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