グローバル化は決して世界平和や豊かさをもたらすものではない。

<英国のメイ首相は29日、欧州連合(EU)のトゥスク大統領にEUからの離脱を正式通告した。離脱を決めた昨年6月の国民投票結果に基づくもので、加盟国の離脱は欧州統合史上初めて。原則2年間の交渉が5月にも開始され、期間延長がなければ英国は2019年3月末に離脱する。

 EUは31日までに交渉指針案を発表し、4月29日に英国を除く27カ国の首脳会議を開き、指針案を正式に決定する。英国の未払い分担金支払いなど「離脱協定」と英EU間の新たな自由貿易協定(FTA)など「将来協定」に大別されるが、交渉は難航するとみられる。

 メイ氏は経済への影響を最小限に抑えながら移民流入制限の権限を取り戻す「完全離脱」を模索する。一方、EU側は欧州単一市場に残る場合、「移動の自由」の受け入れを条件とし、他の加盟国にEU離脱の動きが拡散しないよう交渉には厳格姿勢で臨む見通しだ。

 離脱通告はリスボン条約50条(EU基本条約)に基づく手続き。全加盟国が同意すれば延長も可能で、早くも延長を予測する見方もある
>(以上「産経新聞」より引用)

 英国のEU離脱が正式にEU本部に通告された。これから英国離脱の手続きが始まることになる。
 それに対して、日経新聞に論評を寄せている海外の評論家たちは極めて悲観的だ。英国にとって経済を弱め、一国孤立では世界の動きについていけないだろうと離脱を批判している。彼はおそらくグローバル化を推進する立場の評論家なのだろう。

 欧州大陸の近い位置にある英国が欧州と距離を置くのは正しい選択とはいえない、と繰り返し述べているが、日本と中国の関係に置き換えてみると英国の選択が必ずしも間違っていると断言できないだろう。
 日本が中国大陸との距離を縮めて「平和」がもたらされたことがあっただろうか。大陸と日本とは文化や考え方が異なる。同一化するのが正しくて異質であり続けることが正しくない、というのは様々な魚がいるから様々な漁具を揃えなければならないから漁師にとって悲劇だ、と言っているのと同じだ。

 グローバル化はすべての国の制度を一体化させ、すべての国境や非関税障壁を取り除こうとする。そうすれば何が起きるか、英国が身をもって経験し離脱を決めた大きな原因の移民の大流入が起きた。
 日本で考えれば中国移民が160万人も主として首都に押し寄せたと想定してみると理解できるだろう。今でも中国移民が多く暮らす団地には日本人が近寄りにくい状態になっている。それが首都圏の各地に出現する。それでも「労働力不測の解消」に労働移民は必要だ、と主張する安倍自公政権を支持できるだろうか。それは労働賃金を引き下げる効果を持ち、デフレ下経済からの脱却を妨げる。

 経済成長するには安定的な社会で安定的な雇用関係の中で企業が投資を行い労働生産性を上げることで実現できる。労働生産性が上がれば賃金を引き上げる要因となり、個人消費が大きくなって総需要不足が解消される。
 しかし労働移民の必要生保説明する理論は企業の側の論理でしかない。グローバル化は企業の側の論理を世界規模で実現するための手法でしかない。

 英国はEU離脱により貧困化するだろうと件の評論家は結論付けているが、果たしてそうだろうか。EUはEU圏のすべての人たちを豊かにしただろうか。ただドイツの一人勝ちを実現しただけではなかっただろうか。そのドイツも移民や難民の大量流入により社会問題化している。
 平和な時代は金子みすゞではないか「みんな違って みんないい」という状態を世界は受け入れてきた。世界が二度の大戦を経験したのは帝国主義というグローバル化が主要因だった。戦後半世紀以上も冷戦があったのも共産主義というグローバル化と米国流の民主主義というグローバル化のぶつかり合いだったことを忘れてはならない。

 みんな違って みんないい、という状態を世界各国が受け入れる時代が到来した時こそ、世界平和が実現できるのではないだろうか。グローバル化は経済を武器とした投機家による貧富の格差拡大と新しい覇権主義を生み出すだけではないだろうか。


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