シビリアンコントロールの体をなしていない無様な防衛相。

<稲田朋美防衛相は20日の衆院予算委員会で、南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊部隊の日報に関し、「保存期間が1年未満、用済み廃棄でいいのかどうか検討していく」と述べ、陸自の文書管理規則に基づく扱いを見直す可能性に言及した。

 文書管理規則は、PKO関連文書の保存期間を原則3年と定めている。ただ、例外として「随時発生し、短期に目的を終えるもの」は1年未満で廃棄が可能。南スーダン派遣部隊の日報について、防衛省は例外扱いとしてきた>(以上「時事通信」より引用)

 現場で何が起こっているのかを的確に把握しないでコントロールできないのは何事でも同じだ。自衛隊を武官以外の国民の代表がコントールすることをシビリアンコントロールというが、それが適正に行われるためには現場から上がってくる報告書が重要だ。
 南スーダンに派遣した自衛隊の活動報告書・日報を廃棄したとして防衛相に知らされてなかった、というのはシビリアンコントロールの根幹にかかわる異常事態だ。そして安倍自公政権は防衛省が日報を廃棄したと大臣に報告していたことに震撼としていないのは危機感のなさなのだろうか。

 日報の保存期間が一年未満で良いか否かを検討していくと防衛相が答弁したが、防衛相は何を考えているのだろうか。日本にいる防衛相が遠く離れた南スーダンの自衛隊がいかなる状況下でいかなる活動を実施しているのかを把握する「日報」の扱いを「今から検討する」とはどういうことなのだろうか。
 最初に自衛隊をPKOで海外派遣する段階でシビリアンコントロールを担保するための手段を真剣に議論したのか、という根本的な疑念がわく。日報だけではない、当然ドライブレコーダのような映像として自衛隊の活動を記録しているものだと思っていた私は驚愕するばかりだ。
 活動する部隊の指揮官のヘルメットにレコーダーが取り付けられて、映像と音声が記録するというのは、このIT時代では当たり前のことではないだろうか。今後万が一にも戦闘に巻き込まれて銃火を交える事態に陥った際に、自衛隊員の行動を客観的に証明する手段を確保するというのは当たり前のことではないか。

 そしてその映像を作戦終了が終了して現地基地へ帰還したならネットで本国の防衛省に送信して本部が保管するというのは必要不可欠ではないだろうか。なぜ国会は自衛隊を海外へPKOであれ何であれ派遣する際にそうした記録を執ることを義務付けなかったのだろうか。
 国会で政治家諸氏はいったい何を議論しているのだろうか。自分たちは国民の代表であって、税を使って活動している、という自覚があれば当然そうした議論は尽くされているはずだ。日報の保存期間を今から決めるなどといった弛緩しきった政府の命令で身の危険を冒して南スーダンで活動している自衛隊員は遣る瀬無いだろう。

 戦闘は国会と異なり言葉遊びではない。南スーダンは死と隣り合わせの苛烈な現場だ。その自衛隊員を真に守りたいのなら、そうした体制をしっかり執るべきではないのか。口先だけ勇ましい安倍氏のこの無様な防衛相はシビリアンコントロールすらどういうことなのかご存知ないのだろう。


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