ネット通販の「宅配」改善策の一助に。
宅配業者が慢性的な人手不足と長時間労働に悩まされているという。しかも「再配達」が増加して、長時間労働が常態化しているという。
確かにネット通販は便利だ。ことに地方で暮らす者にとって様々な品揃えと価格設定の中から「お気に入り」を購入するのはネットの中以外にはありえない。
高齢化し少子化する社会で幹線道路沿線に大型ショッピング施設を展開して物を売る道路販売は今後淘汰され減少の一途をたどると思われる。現に米国ではそうした傾向が顕著になっている。
日本は郊外型の大型店の出店等で米国のウォルマートなどの後追いでブームになるのに10年ないし15年のタイムラグがあった。そうすると、今後10年前後で道路販売が下火になる時代がやってくると思われ、その分、ネット通販へ移行すると思われる。
そうしたことを考えると宅配業者の「宅配」がいつまで維持できるのか、その労働とコストをいかにして合理化していくのかを考えなければならない。
現在でもネット販売では購入から宅配業者に委託し、宅配業者が顧客の地域ステーションへ配送し、地域ステーションが配達に出かける、という流通段階を示すサービスを実施しているネット通販業者もあるが、必ずしも適宜ネット上の表示を変更しているわけではない。しかし地域ステーションに商品が到着し配達に出かける段階での「情報」は的確だ。
そうした商品の配達段階を見ていると、発送から遠隔地の地域ステーションまで配送するのに要する時間と地域ステーションから顧客に届ける配達に要する時間がほとんど変わらない。つまり商品を個々の顧客に届ける「配達」が煩雑なため、多大な時間と労力を要している。
そこで将来宅配システムを維持するには「配達」を望む顧客と、地域ステーションへ取りに行く顧客とに分けてはどうだろうか。自分で車を運転して地域ステーションへ取りに行くのを選択した人に対する「送料」を軽減して、顧客が自ら取りに行くようにすれば配達要員の長時間労働と再配達がいくらかでも軽減されるのではないだろうか。
もちろん高齢化社会で商品を地域ステーションへ取りに行けない人には従前通りの配達サービスを実施する。私は地方でも中心部ではなく辺鄙な田舎に暮らしているため、急ぎの商品をネットで購入した際には予め地域ステーションに電話して、地域ステーションに到着すれば商品を配達に持ち出さないで置いておいてもらって、取りに行くようにしている。その方が半日ばかり早く商品を手に出来る。それが配達人の長時間労働の解消に少しでも役立つのなら、制度として宅配業者は考えてはどうだろうか。