恋愛の自由は結構だが、それが時として身勝手になってはいないか。

<2015年の結婚全体のうち、夫妻の両方または一方が再婚だった割合は26.8%と、約3割に上ることが18日、厚生労働省がまとめた人口動態統計の特殊報告で分かった。分析対象とした1975年以降では最高の割合。厚労省は離婚件数が増えて一般的になっているため、再婚に対する意識が変わってきたことが背景にあるとみている。

 ◇夫妻とも再婚9.7%

 特殊報告は、毎年公表している人口動態統計をテーマ別に分析したもので、婚姻に関する分析は約10年ごとに行い、今回で4回目。

 報告によると、夫妻とも再婚9.7%▽夫初婚で妻再婚7.1%▽夫再婚で妻初婚10.0%。夫初婚で妻再婚の組み合わせ以外は、上昇が続いている。一方、初婚者同士の結婚は長期で下落傾向にあり、15年は73.2%で75年以降で最低だった。

 15年の平均結婚年齢は初婚同士の場合、夫30.7歳、妻29.0歳。夫妻とも年々晩婚化しており、いずれも10年前より1.2歳高くなった。夫妻とも日本人の場合、年齢差は婚姻全体で夫の方が2.0歳高く、夫妻とも再婚の場合3.2歳差、夫再婚で妻初婚の場合は6.1歳差だった。夫初婚で妻再婚の場合のみ、2000年以降は妻の年齢の方が高く、0.3歳差だった>(以上「毎日新聞」より引用)

 18日に発表された厚生労働省がまとめた人口動態統計の特殊報告は現代日本の若者の恋愛観を示しているようだ。初婚の晩婚化は進み夫30.7才で妻29.0才は驚くような高年齢化だ。
 それと同時に再婚割合が結婚の三割近くまで増えていることだ。それに伴って生みの親と育ての親が異なる子供が増えていることが予想されるが、そうした社会変動に社会がキチンと対応しているだろうか。

 親の離婚が子供に与える影響は想像以上に深刻なものではないだろうか。ことに幼少期の子供は親の庇護や手助けがなければ生きていけない。全面的に存在を親に頼っている。
 そうした段階の離婚に対して、行政は妊娠から出産まで母体に対して行う保健婦などのサービスに相当する育児ケアを実施しているだろうか。子供は明日の日本を担う貴重な人材だ。その明日の日本を担う子供の何割かは確実に親の離婚で心に赤い傷を負っていることは容易に想像できる。

 日本にはカソリック教やイスラム教などの国に見られるような宗教などによる「離婚の縛り」はない。自由といえばこれほど自由な国も世界にないだろう。
 そして離婚家庭に占める国際結婚割合が示されていないが、外国人と結婚する国際結婚が増加しているのも離婚割合が増加している要因の一つとと思われる。ことに女性に外国人男性は日本男性にない恋愛手法に陶酔されやすい傾向がみられるし、日本男性も「嫁のなり手」を求めて外国人妻を娶る事例も多々見られる。

 しかし習慣や文化の相違はそう簡単に乗り越えられるものではない。ことに婚姻関係に入るとお互いに地を隠さなくなり、離婚が増えていると思われる。
 そしてテレビなどで国際結婚を後押しするかのような番組が放映されているのも国際結婚を助長している要因の一つと思われる。さらに日本万歳の日本礼賛番組とかもあって、最近のテレビはどうかしている。視聴率さえ取れれば何をやっても良いような安易な番組作りはどうかならないのだろうか。「人をスポイルするのは辛辣な批判ではなく、賞賛の拍手だ」という言葉もあることを噛み締めるべきだ。

 恋愛は自由だが、婚姻の破綻によって最も甚大な影響を受ける子供の視点に立った教育も充分にしておく必要があるし、行政がそうした子供の心のケアを行う態勢を整えておく必要があるのではないだろうか。
 昨今、母の連れ子が同居する母の恋愛相手により虐待されたり殺害される事件が多発している。事件となって表面化する数倍もの虐待が実際に生みの親とは異なる大人によって行われている可能性があると見ていいだろう。

 親の自覚のない「子は鎹」とならない大人が増えていることの方を「厚生労働省の特殊報告」は問題視すべきではないだろうか。それは日本の教育やマスメディアの問題でもある。


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