なぜレガシーにこれほどカネがかかるのか。

< 2020年東京五輪・パラリンピックで東京都以外に会場を抱える地方自治体が費用分担に関して、立候補ファイルの原則を守ることを求める要請文を東京都と大会組織委員会に提出する方針を固めた。都の小池百合子知事は21日に開かれた国際オリンピック委員会(IOC)、組織委、政府の4者トップ級会合で「線引きは当然変更はある」と役割分担の見直しを示唆した。議論はIOCを除く国内の3者協議で行うが、見解の相違もあり、会場見直しに続く厳しい調整となりそうだ。

 都外の会場は「コンパクト五輪」の計画見直しに伴って受け入れた神奈川、千葉、埼玉、静岡各県とサッカーの1次リーグ会場として立候補ファイルに記されていた北海道、宮城県など6道県と4政令市にある。組織委は22日、4者トップ級会合で示された大会予算を各自治体に説明する。関係者によると、地方自治体は要請文の内容を最終調整したうえで26日にも都、組織委に提出する見通しだ。

 2013年1月にIOCに提出した立候補ファイルによれば、恒久施設は都、仮設と既存施設を五輪仕様にする改修費(オーバーレイ)は組織委が負担することになっていた。小池知事は会合後、「都がリーダーシップをきちんと発揮して、各地域でどのような形で分担ができるか早期に始めたい」と述べた。地方自治体は地元負担はないとの原則で会場を受け入れた経緯があるため、負担を求められれば難色を示すのは必至で、組織委の森喜朗会長は「都が財政的に削減するために地方にお願いした。誠意を持って応えなければならない」と指摘した>(以上「毎日新聞」より引用)

 都と国がオリンピック委員会がオリンピック総額費用1兆8千億円をいかに分担し合うかが焦点になっているようだ。しかし、ちょっと待って戴きたい。
 そもそもオリンピック招致の段階ではこれほど高額な費用が掛かるとはなっていなかった。招致段階で計画されていたの「コンパクト大会」で、予算総額は3013億円だった。

 それが発表された予算はその約六倍の1兆8千億円と膨大なもので、大会後整備費2241億円も含めると2兆円を超える。大会収入はチケットなどの販売で約5000億円だという。当初から収支バランスを無視した「予算」には驚いてひっくり返りそうだ。
 民間企業で当初予算を提示したプロジェクトが実施段階になって六倍以上かかると判明したら、当然そのプロジェクトは中止になるし、担当者から担当役員まで処分される。経営トップですら株主総会で厳しい追及は避けられず、経営陣の総退陣だって有り得る、そうした危機的な状況だ。

 しかしオリンピックに関しては当事者が当事者能力があるのか否かは問わないまでも、到って平然とした顔つきをして会議に臨んでいる。頬を引き攣らせ、辞表を内ポケットに会議に臨んでいるとは到底思えない。
 彼らには「最終的には税という国民負担」だという安易な共通した気持ちがあるのではないだろうか。レガシーが残るのだから文句はないだろう、という言い訳が彼らの気持ちにあるのかも知れない。

 しかし木造の競技場が2300億円とは腰が抜けそうだ。それで天井もなく、聖火台の位置も仕様も決まっていないという。ロンドンオリンピックで新造した競技場が600億円台だったことと比べると、金閣寺のように新国立競技場に金箔でも張り巡らせるのかと思わざるを得ない。
 ここで考えなければならないのは、維持管理費は概ね新築予算の数パーセント毎年掛るという現実だ。新国立競技場は毎年120億円程度の維持・管理費がかかるし、少しでも古くなれば木造建築の場合は狂いが生じることも考慮しなければならない。集成材だから大丈夫というのは普通の木造家屋の場合だ。競技場のような重量のある天井部分を競技場外擁壁の木材などで支えるという斜めの力が働く場合はタワミを考慮しなければならない。

 海のボート会場もレガシィにはならない、というのはボート競技者たちの共通した認識だ。わざわざ海水にボートを浸けて耐用年数を縮めるバカはいないという。
 波高が20㎝もあると浸水して沈没する恐れもある。海の森の近場には風力発電が設置されている風の通り道だ。オリンピックのボート競技そのものが成立するのか危ぶむ声もある。

 まったくデタラメなオリンピックだ。レガシーも何もあったモノではない。今からでも開催権を返上してはどうだろうか。


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