米国大統領選まで1週刊余りとなった。

<米大統領選の共和党候補者トランプ氏の支持率が、民主党候補者のクリントン氏を追い抜いた。
米大手紙ワシントンポストとABCテレビが11月1日に公表した民間世論調査によると、トランプ氏の支持率が46%でクリントン氏(45%)を1ポイント上回った。

ABCニュースは、「クリントン氏の支持層で、投票する意欲が下がっている」と指摘。クリントン氏の私用メール問題でFBIによる再捜査が決まったことが影響したとみられる>(以上「BuzzFeed Japan」より引用)

 今回の米大統領選挙は史上最低のダメ候補による、とっちがよりダメかを争う大統領選挙だ、といわれている。そのダメ振りが公務上のダメなのか、私生活上のダメなのかを両候補は問題とされている。
 ヒラリー氏は国務長官時代の公的メールを私的に使用した、それも一度か二度といった程度ではなく何万回も日常的に使用していた、というのだから驚きだ。

 米国の国務長官といえば世界の平和に関して責任を持つ立場だ。その彼女が公的メールを公私混同していたというのは機密の漏洩、といった程度の問題を遥かに超えている。
 緊張感がないというよりも、米国の政治家として超大国の運営に責任を持つ人物として資質を書いていると批判されても仕方ないだろう。メールの公私混同を端緒として国務長官のアドレスから国家機密がハッキングされかねない異常事態が常態化していたというのだからゾッとする。

 トランプ氏も決して大統領として相応しい人格かというと眉を顰める者が大半だろう。女性に対する侮辱だけではない、特定の少数民族や宗教に対する限度を超えた批判は「移民国家」としての米国の成り立ちを否定しかねないものだ。
 多種多様な民族や宗教が混在しているのが普通の国家である米国は「みんな違ってみんないい」という基本的理念で成り立っている。それがメキシコやイスラム教はケシカランというのでは今後も米国は世界の平和に関して責任を持つことは出来ない。実際にイスラム教を敵視し始めたブッシュ氏の時代以後、米国が世界各地で紛争を起こす火種になっている。

 世界平和を実現するには民族や宗教を超越しなければ不可能だ。そうした人類に派生した事柄に捕らわれるのではなく、人類そのものの幸福に関して責任を持つ態度が必要だ。
 トランプ氏にそうした立場に立つ米国大統領になりうるのか、というと大きな疑問符が付く。しかし全く「出来ない」と否定することも出来ない。なぜなら立場が人を創る、こともまた真実だからだ。

 ただ両者が軸足を置いている政治的立脚点は全く異なる。ヒラリー氏がオバマ氏たちと同様にフォール街の「米国の1%」たちの支持を受けているのに対して、トランプ氏は貧困化した99%の支持を受けていることだ。
 それは選挙資金を見ただけで良く解る。米国の大統領選挙はほとんど選挙イベントを競う選挙だ。そのため数千億円という目も眩むほどの資金が必要だ。ヒラリー氏はその資金のほとんどをウォール街から調達した。それに対してトランプ氏はほとんど「自己資金」で戦っている。ここに来て、ヒラリー氏はまだ選挙資金を4000億円ほど残しているのに対して、トランプ氏は1000億円もないのではないかといわれている。

 ラストスパートに向けてヒラリー氏は全国ネット各社のTVコマーシャルをバンバン打つだろうが、トランプ氏は限定的にTVコマーシャルを打つしかないだろう。そこで有権者がどのように判断するだろうか。
 大統領選挙が「巨大な選挙ごっこ」イベントだというのならヒラリー氏の勝ちだろう。しかし貧困層がさらに格差拡大している米国に「ノー」を突き付けるなら、グローバル化の米国から国内政治「国民の生活が第一」の政治に回帰するのを望むなら、トランプ氏が勝利するだろう。いずれにせよ、結論は11月8日の投票にかかっている。


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