北方四島に軍事基地を建設しているロシアは南シナ海の中国と変わりない。

<岸田文雄外相は21日夕(日本時間22日朝)、ロシアのラブロフ外相と米ニューヨークの国連本部で会談した。岸田氏が12月に予定されるプーチン露大統領訪日の前にロシアを訪問することを確認し、政治・経済など各分野で準備を進めることで一致した。また、ロシアのシュワロフ第1副首相が11月をめどに訪日し、岸田氏との間で経済協力について協議を行うことも確認した。

 岸田氏は会談で「日露平和条約締結問題で前進を図ることが重要」との考えを伝え、大統領の訪日に向けて北方領土問題を含む条約締結交渉の進展に期待を示した。
 ラブロフ氏は「大統領自身も安倍首相との友好関係を高く評価し、訪日を良いものにしたいとの思いだ」と述べた。

 対北朝鮮制裁を巡っては、岸田氏が「圧力の強化が必要だ。新たな制裁措置を含む国連安保理決議採択に向けて、ロシアと連携していきたい」と述べたのに対して、ラブロフ氏は「決議採択に向けては連携していきたい」と応じた>(以上「毎日新聞」より引用)

 ロシアは北方領土に対して実効支配を強め、ロシアから入植する国民に支援策を講じ、同時に軍事基地を建設している。中国の南シナ海の軍事基地を批判するのなら、ロシアの北方領土の軍事基地に対しても日本は同様に批判すべきだ。
 日本政府がロシアのプーチン氏の機嫌を取っても良いことは何もない。石油輸出国のサウジアラビアが原油価格の下落に伴って経済的に困窮しているように、資源輸出国のロシアが経済的に困窮している。それを好機ととらえるのは間違っていないが、対ロ条約や友好関係など当てにならないことは歴史的に証明しているし、自国利益のためならゴリ押ししてクルミア半島を併合したように形振り構わず何でもやる国だということを忘れてはならない。

 日本が北方領土の返還を求めて終戦直後に国際法に反してシベリアに60万人も邦人を抑留して強制労働に従事させ、2割にあたる12万人も凍死や餓死させた事実を忘れてはならない。そのことに対して当時の日本首相鳩山一郎氏は日ソ国交樹立時に「賠償放棄」を宣言したが、当時のソ連から日本に対する謝罪などは一言もなかった。
 ロシア人を信用してはならない。一筋縄でいかないのが外交交渉だが、ロシア人を相手に国際常識など通用しないことを認識しておくべきだ。プーチン大統領と安倍氏がどの程度親しいのか分からないが、つい先日、中国と協力して南シナ海でロシアが軍事演習したことも忘れてはならない。

 北方領土返還にしてもプーチン氏は二島返還で決着をつけようとしている、との観測も流れているようだが、終戦前後に侵略して日本領土を奪ったものを自国領だと強弁するロシアに一島たりとも奪われてはならない。本当返還が日露平和条約締結の最低条件でなければならず、ロシアの約束など信じて経済支援をしてはならない。
 原油価格の下落でロシアは経済的に困窮している。日本の1/2ほどのGDPのロシアが膨大な軍事基地を維持し、数千発の核ミサイルを擁しているだけでも大変度というのは容易に推測できるし、さらにクリミア半島併合による西側が連携して経済制裁していることによりロシアの国民経済が深刻な状況に直面していると思われる。

 そのロシアに対して安倍氏が接近して西側諸国に疑惑の念を持たれていることも日本国民は知るべきだ。日本は「抜け駆け」を行う国だと国際的に認識されることの不利益がいかに大きいかを日本政府は承知しているのだろうか。
 安倍氏はプーチン氏を日本に招待する、という抜き差しならない擧に出ている。日本のマスメディアも首脳の相手国への訪問は子供の誕生会などの「御呼ばれごっこ」とはまるで異なる外交マターだということが解っているのだろうか。

 なぜ毅然として安倍氏は困窮するロシアを見下し続けることが出来ないのだろうか。ロシアから支援要請して来るまで我慢が出来ないようで、碌な外交は出来ないと肝に銘ずべきだが、瞬間湯沸かし器の綽名を持つ安倍氏にそうした大人の外交は出来ないようだ。
 アタフタとばら撒き外港という漫遊記を続ける安倍氏に対ロ交渉は決して出来ない。ファーストネームで呼び合う仲の良さと、外交交渉とは別物だ。ヘタな二島返還などで取り返しのつかない事態にならないことを真に望む。


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