マイクロソフトの企業戦略を批判する。

<マイクロソフトのルールでは、PCメーカーは、次のバージョンのWindowsのGAから2年間は、1つ前のバージョンがプリインストールされたPCを販売できるとしている。これはPCメーカーに対するルールなので、実際には市場在庫がしばらく残るだろう。また、マイクロソフトは、Windowsのパッケージを、次のバージョンのGAから1年間は提供するとしている。

 PCメーカーは、一部のWindowsに対し、ダウングレード権を適用して、過去のバージョンをプリインストールしたPCを販売することもできる。ボリュームライセンスのダウングレード権は、サポートライフサイクルなどに限定されず、Windows 2000までが可能だが、プリインストールの場合、Windows 10 Proに対してダウングレード権が有効なのは、「Windows 8.1 Pro」および「Windows 7 Professional」のみとなる。ただし、OEMがプレインストールができるのは、Windowsのサポートライフサイクルが終了するまでだ。

 つまりプリインストールPCは、次のWindowsのGAから2年間はそのままの製品として販売可能だが、2年を過ぎた後は、新しいWindowsをプリインストールした製品に切り替えなければならない。ただし、新しいWindowsをプリインストールし、ダウングレード権により、前のWindowsを利用できる製品を出荷することは可能だ。ダウングレード権を利用し旧版のWindowsが利用できるPCは、旧版のサポートライフサイクルの終了まで行うことができる。
 Windows XPからWindows 10までのサポートライフサイクルなどは表2のようになる。既にWindows XPはサポートライフサイクルが終了しており、Vistaのサポートライフサイクルも2017年4月で終了する。

 また、Windows 7のメインストリームサポートフェーズは終了しており、現在は延長サポートフェーズになっている。ただし、企業向け市場でのWindows 8の不振のため、Windows 7 Professionalは、特別扱いされている>(以上「ITMedia」より引用)

 PCは現代生活では欠かせない。このブログもPCがあればこそネットに掲載できている。そしてPCを動かしている基本ソフトWindowsは日本のPC市場で90%以上という圧倒的シェアを占めている。
 そのWindowsを提供している企業がマイクロソフトだが、PCを製造している企業とは全く別なOS提供企業として発展してきた。その圧倒的市場独占力を背景にPC製造企業までも支配してきたのが実情だ。

 私は車は富士重工のレガシーを使っている。既に購入してから10年以上経過し、走行距離も20万キロを超えた。しかし昨日富士重工から「リコールのご案内」の葉書が来て助手席のエアバッグモジュールが劣化してエアバッグ展開時にインフレ―タ容器が破損する恐れがあるため交換する、との通知をしてきた。
 自動車とPCを同列に論じるのは不適切かも知れないが、工業製品を利用している「消費者」という立場は同じではないだろうか。しかもそれらの工業製品の使用時に不具合があった場合に利用者が損失を被る、ということでは何ら変わらない。

 つまりマイクロソフトはマ社が提供したOSが劇的に進化するハッカーたちの進歩に対応しきれなくなって脆弱化するのが避けられなくなり、新規にセキュリティー能力を高めたOSを出さなければPC利用者の安全性が保てなくなる、という理由からサポートを打ち切り、新規OSに買い替えるように利用者に通知してきた。
 その期間は概ね10年だということだが、PCはその期間で壊れるものではないし、また高価な工業製品として壊れてもらっては困る。このブログを打っているPCのOSはWin7で、2020年でサポートが終わるという。しかしレッツ・ノートはスペック的にも機器としても恐らく2020年を越えても正常に稼働しているだろう。だがWin10にアップグレードしなければマ社はサポートしない、と宣言している。

 実は一度Win10にグレードアップしたことがある。しかし仕様変更が使い慣れていないこともあって、Win7に戻してしまった。しかもWin10はそのOSで処理される情報はすべてNSAの監視下に置かれることを了解する、という使用許諾を了解することになっている。それはテロの芽を事前に摘むために監視するという理由だが、私はあらゆる検閲を拒否する。
 そしてマ社が勝手にマ社のOS利用者の情報を吸い上げて、NSAに検閲させるという利用者の権利侵害を行ったのも理解できない。そうしたことから地方自治体や企業の中には使用しているPCのWin10への移行を禁止しているものがある。当然の措置だと思わざるを得ない。

 OSのセキュリティの脆弱化に対処しきれないからサポートを一定期間で打ち切ってPCをOSの面から一方的に劣化させる措置を取ることは企業としてあまりに無責任ではないだろうか。非常に良く出来ていたOSのXPもSP3でセキュリティー更新を打ち切ってXPの脆弱化が進むのを放置した。
 そして次に出したOSのVistaは従前のPCのスペックではまず動かない重いものだった。そこでまだ十分に稼働していたPCを諦めざるを得なかったユーザーはたくさんいたはずだ。そうしたPC新規買換えに伴う経済的な損失やソフトをVistaに対応させるための変更などの経済的な損失を、すべて利用者に負わせたマ社の企業体質には大いに疑問を感じる。

 そして今回のWin10というOSの身勝手な利用者の情報管理という非地に対しては心底から怒りを覚える。あらゆる検閲を排除する、というのは人類共通の悲願だ。テロを事前に阻止するため、というのなら、なぜ米国は中東で戦争をしてイスラム教徒の国々を攻撃したのか。後先を考えない米国の身勝手な軍事侵攻により、中東の人たちが塗炭の苦しみを味わっている現実をどのように米国の1%の人たちは見ているのだろうか。
 そのツケを米国民やマ社のOS利用者の情報管理ということに回さないで貰いたい。自動車のリコールは身体に対する危険から利用者を守る、というものだが、マ社のOSの脆弱化は利用者の情報流出や経済的な不利益から守る、という利用者保護の観点から論じればマ社の責任で行うべきものだ。それを企業の商売戦略にするのは誤りだ。

 PC製造企業はいつまでOS支配企業の支配に甘んじているのだろうか。なぜ利用者優先の観点から工業製品としてマ社のOSではなく、工業製品としてマ社の関与しない完璧なOSを組み込んだPCの販売戦略をたてないのだろうか。そうした企業戦略を立てて利用者が安心できる完璧なPCが販売されることを望む。


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