消費税を5%に戻す財源は一層の歳出削減と富裕層への課税強化及び法人税を元に戻すことで出る。

<安倍政権が、消費税増税の2年半延期を決めるなか、今後の税収の伸びを懸念する声が出ている。安倍晋三首相は増税を先送りしつつも、社会保障政策の充実や財政健全化を目指す方針。首相就任後、加速した税収増を前提にしているとみられる。だが、ここ数年の税収は一時的な要因で押し上げられた側面があるほか、今後は円高などで企業業績の伸び悩みも見込まれており、思惑通り税収が増えるかは見通せない。

 「我々が進めてきた経済政策によって、この3年半、税収は国・地方合わせて21兆円増えた」。安倍首相は、8日の全国市長会でのあいさつでそう胸を張った。安倍政権発足時の2012年度(予算ベース)に78.7兆円だった国・地方の税収は、16年度(同)に99.5兆円となる見込み。そのうち、14年4月の消費税率5%から8%への引き上げによる増収分約8兆円を除くと、増収分は約13兆円となる。

 約13兆円の主な内訳を国の税収分だけでみると、所得税は4.5兆円、法人税は3.4兆円。所得税の増加は、3年連続の賃上げや、14年1月から株の配当など金融取引にかかる税率が10%から20%に引き上げられたことなどが背景にある。

 法人税の増加は企業収益の拡大を反映しているが、メガバンクなどの納税再開も後押ししたとみられる。バブル崩壊で巨額赤字を計上したメガバンクなどは、過去の赤字と課税対象年度の黒字を相殺して法人税の納付額を減らす「繰越欠損金制度」を利用し10年以上、納税してこなかった。だが、欠損解消で10年度以降、相次いで納税を再開。08年のリーマン・ショックによる赤字で5年間、国内で法人税を納めていなかったトヨタ自動車も13年度分から納税を再開するなど、ここ数年は大企業の納税再開が相次いだ。
 国税庁の統計によると、法人税増加の足かせとなっていた繰越欠損金は、安倍政権発足時の12年度から2年間で約9兆円減少。トヨタが納税再開した13年度の法人税収は前年度比約7000億円増の10.5兆円と、それまでの増加幅(約4000億円)を上回った。

 現在集計中の15年度の税収は前年度を上回る見込みだが、16年度以降は「大企業の納税再開が一段落し、法人税の増加ペースは鈍る可能性がある」(財務省幹部)との指摘もある。
 首相は「アベノミクスをもう一段加速し、更なる税収アップを確保する」とのシナリオを描くが、SMBC日興証券の末沢豪謙金融財政アナリストは、「円高で17年3月期の企業業績は伸び悩む見込みで、法人税収に影響しかねない」と指摘。「企業業績が落ち込めば賃上げ幅も縮小し、所得税にも影響する。今後の税収は頭打ちになる可能性がある」と話している>(以上「毎日新聞」より引用)

 法人には五年間の純損失の繰り越しが認められ、損失が出る事態が予想されるとそれまでのシュクアをすべて決算に折り込んで純損失を拡大しておくのが得策だという経営判断が働くようだ。リーマンショックにより出た多額の企業損失のくりことがほぼ今年で終わるため、来年度から法人税の税収増が予想されるという。
 個人所得税の税収増は配当所得などの金融取引税10%が20%に引き上げられたことが大きいとされている。消費税10%実施を先延ばししたことによる税収減の財源を議論する前に、税収未納率が四割以上と最も高いのが消費税だということをまず問題として解決すべきではないだろうか。

 それは消費税の納税方法と大きく関係がある。消費者への販売時に徴収した消費税は販売業者が年に何回かに分けてまとめて納税する。そうすると納税するまで預かっている消費税を企業の運転資金などに使用し、業績悪化などにより納税できなくなるなどの事態に陥っているのが主な原因だ。
 消費税率が10%に引き上げられると販売業者が納税する消費税額が大きくなり、それだけ未納率が高くなることが予想される。獲らぬ狸の皮算用ではないが、国民消費に税率を乗じてはじいた数字の四割が未納になっているのなら、消費税の課税方法を伝票式に変更して完全徴収を可能にすれば税率を5%に引き下げることも全く出来ないわけではない。

 安倍自公政権により消費税8%増税したことにより、経済がデフレ傾向に逆戻りし国内景気が上向かないで税収が増加するわけがない。消費税を増税して個人の可処分所得を奪う政策は金の卵を産むガチョウを殺すようなものだ。
 消費税を伝票方式に改編して製造段階から順次支払わせるようにすれば未納率は劇的に改善されるだろう。それが煩雑だというのなら欧州各国が実施出来ていて日本で実施できない理由を財務省は説明する必要がある。むしろ製造企業と癒着した官僚たちの実態を問題視するマスメディアがこの国に不在という現実の方を問題視すべきではないだろうか。

 日本が未来に向かって国民生活を豊かにし、経済成長を持続させるにはたゆまない生産性向上を図るしかない。そのための投資と研究開発は必要不可欠で、日本国民の資質に鑑みれば決して不可能なことではない。
 企業の生産設備などへの投資減税や、製品開発研究や製造技術開発などへの減税を大胆に行うべきだ、ということを私はこのブログで数年前から提言し続けている。しかし私はテレビ出演をしているわけでもなく、ドコソコの大学教授でもない男の発言を政府が取り上げることがないのは当たり前と言えば当たり前だが、このブログを読んだネット市民の諸氏から消費税5%の世論の輪が広がれば決して無駄なことではないと考えて書き続けている。

 財務官僚主導の税制は所詮官僚のための税制に他ならない。官僚が国民のために仕事をしていると考えるのはユートピアのようなものだ。官僚たちは官僚たちのために働いている、というのが厳然たる事実だ。
 だから政治家が官僚依存から脱却しなければ「国民の生活が第一」の政治など出来るはずがない。官僚依存の政治家たちの目を覚まさすには今度の参議院選挙で自公候補を落選させれば良い。そうすれば少しは官僚政治から国民政治へと舵が切られるだろう。「戦争法」廃棄のためだけではなく、「国民の生活が第一」の政治のためにも、夏の参議院選挙は野党連合が勝利しなければならない。


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