英国民投票ののEU離脱を「リグレット」と繰り返し伝える日本のマスメディアにはウンザリだ。

 日本のマスメディアだけではない。中国政府までも英国のEU離脱を選択した国民投票に不満タラタラだ。
 中共政府は英国の首相と良好な関係を築き、投資を引出しEUに浸透する足掛かりとしてドイツとともに英国を頼みにするつもりだった。
 しかし英国国民はEU離脱を選択し首相は辞任を宣言した。中共政府は5兆円ほどの投資をフイにすることとなった。しかし日本企業1300社余りの投資総額10兆円と比較すればまだマシというものだ。

 日本企業に海外展開を推進してきたジェトロや無能なシンクタンクなどは大いに反省すべきだ。日本企業が海外投資して、日本国民にどれほどの恩恵があるというのだろうか。
 確かに、海外投資した企業は短期的な利益を手にしたかもしれない。中にはトクヤマのように海外展開した生産工場が飛んでもない損失を出して、本体まで傾く事態を引き起こした愚かな企業があるが、概ね短期的利益は手にしているようだ。

 しかしそれで日本国内の企業投資は抑制され、国内生産性が改善されることはなく、国民は貧困化の一途をたどっている。それで企業は日本発の企業として社会的責任を果たしたといえるのだろうか。
 日本のマスメディアも日本企業の海外展開を後押ししてきた建前上、英国の国民投票の結果に「リグレット」を突き付けなければ立場がないのは理解できる。だが、それは日本国民に背を向けた、企業経営者をヨイショしただけの幇間報道をしてきたツケではないだろうか。

 英国民がEU離脱を選んだ理由は痛いほど良く解る。英国首相は海外移民労働者は数万単位だろうと予測していたが、実際はその十倍以上に達してネイティブ英国住民に様々な不利益を及ぼしている。それのみではない、関税障壁を撤廃した貿易は英国から欧州諸国に製品を大量に輸出しようと関税収入はゼロだ。
 つまり英国に拠点を置く生産企業が英国の税収には大して寄与していない現実に気付き始めた。それのみならず、労働不足はさらなる移民労働者を英国に呼び込み、文化・慣習の相違から社会不安の種になっている。

 安倍氏は周回遅れで英国の真似をしようとしていた。それが彼の言うアベノミクスであり構造改革と称するグローバリズムだ。英国民はEUからの離脱を選択した。けだし賢明な選択だったと評せざるを得ない。
 EUとの経済連携は英国民の所得を引き下げる効果しかもたらさない。同様に日本で移民労働者を受け入れたなら日本国民の所得は移民労働者によって下に引き下げられることになる。

 人手不足は企業の労働生産性の向上意欲を必然的に掻き立てる。そうしなければ企業き国際競争に敗れることになる。
 日本の経済成長はたゆまざる生産性向上によってもたらされた。企業経営者が優秀なら格安の労働力が存在している後進国を恐れる必要はない。改善と技術開発と研究開発を持続すれば良いだけだ。そうした資質を日本国民は持ち合わせているし、賢明なる企業経営者はそうした可能性を引き出して、企業を成長させてきた。

 英国のEU離脱に茫然自失となって、離脱は気紛れの誤りだったとする英国世論までも捏造しようとする日本のマスメディアのバカバカしさには笑ってしまうしかない。
 英国のEU離脱はグローバリズムに対するアンチテーゼだという事実をマスメディアは報道すべきだ。安倍自公政権が信奉してきた米国のジャパン・ハンドラ―たちに使嗾されてきた「構造改革路線」、つまりグローバリゼーションが英国で一足早く否定されたという現実にしっかりと向き合うべきだ。

 米国の1%の使い走りに過ぎない米国の格付け会社が英国債をトリプルAからダブルAに二段階引き下げをしたのは当然の措置だ。グローバリゼーション戦略が終焉する恐怖に米国の1%たちは仰天動地のショックに陥っているだろう。
 それがGDP第三位の日本に波及したならGDP第五位の英国を失うよりも、大きな損失を受けることになる。必死になって日本のマスメディアに「英国民はEU離脱を後悔している」と報道すべきと厳命しているだろう。それをその通りに報道する日本のマスメディアの腐り切った現状にウンザリする。もっとマシなマスメディアがこの国ないのだろうか、と。


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