介護士や保育士などの待遇を改善せよ。

<川崎市の有料老人ホームで高齢の男女3人が相次いで転落死した事件で、入所男性に対する殺人容疑で逮捕された元職員で無職の今井隼人容疑者(23)=横浜市神奈川区立町=が神奈川県警の調べに対し、この男性について「手がかかる人だった」と供述していることが捜査関係者への取材でわかった。県警は、介護のストレスなど複合的な動機があるとみて調べている>(以上「朝日新聞」より引用)

 介護士による被介護人連続転落殺害事件とはおぞましいにもほどがある。誰もが人生の終焉を迎えたなら、穏やかな日々を送ってあの世に旅立ちたいのが本望だろう。だが認知症などを患えばそういうわけにもいかないのが人生の皮肉だ。
 介護施設で働く人たちの精神的負担は肉体的な負担と相まって相当なものだろう。そこに低賃金が重なって23才の介護士が自暴自棄になるのも分からないではない。しかし殺人は殺人だ。いかに高齢の認知症患者であろうと、殺人に変わりない。

 ただ介護士の劣悪な労働環境は指摘されて久しいにも拘らず、一向に改善されようとしないのはなぜだろうか。官僚たちは自分たちの報酬に比較して介護士たちがワーク・プアーの環境に苛まされているのをご存じないのだろうか。
 年々報酬が上がるのなら、若年のうちの低報酬も我慢できるだろう。しかし介護士の報酬は中堅になろうとそれほど初任給と大して変わりない。15万円程度では都会で生活するには一人暮らしを賄うのがギリギリだ。

 しかも夜勤もある。まさしく少人数で介護施設を走り回るような「夜勤」は体力と精神の限界に挑戦するような仕事だ。そうした現場を官僚たちは知っているのだろうか。
 殺人を犯した介護士には弁解の余地はないし弁護しようとも思わない。しかし劣悪な労働環境に放置したまま、介護士は消耗品だとばかりに待遇を一向に改善しない国にも腹が立つ。

 人生の途上で早世しない限り、人は必ず老後を過ごす。「年寄は早く死ね」と暴言を吐く若者も、歳月を経れば確実に老人になる。老人問題はすべての国民の問題だ。老人は生まれながらにして老人ではない。若い日々もあり、国や地域や家庭の為に働いてきた人たちだ。
 その老人が終の棲家と頼る施設で虐待され殺害されるとは余りに悲惨だ。介護施設を金儲けと考えて経営する考え違いをしている経営者には退場して頂いて、本気で老人福祉に取り組む真面目な経営者を介護施設に迎えて、介護士たちの待遇改善に国は本気で取り組むべきだ。


このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。