中国経済はいよいよ正念場を迎えたようだ。

< 中国株は4日に急落し、導入されたばかりの緊急取引停止措置(サーキットブレーカー)が発動された。2016年は波乱含みの幕開けとなったが、当面さらに下値を模索しそうな様相だ。
 米国の中国株上場投資信託(ETF)は、何らかの指針になるかもしれない。例えばドイッチェXトラッカーズ・ハーベストCSI300中国A株ETF(ASHR.P)は4日に一時10%近く下がり、2014年10月以来の安値をつけた。終値は8.5%安だった。
 いくつかの米国上場の中国企業も売りを浴びた。アリババ・グループ・ホールディングス(BABA.N)は5.6%、百度(BIDU.O)は2.7%それぞれ下落。バンク・オブ・ニューヨーク・メロン中国ADR指数.BKCNは4.0%下げた。
 今回の株安は、当局が昨年末の株価急落局面で打ち出したさまざまな取引規制を果たして解除できるのかという疑問をあらためて投げかける形になった。
 実際、多くのアナリストは、上場企業の大株主による6カ月の株式売却禁止措置が近く解除されることが、足元の株安を招いたとの見方をしている。
 海通証券のアナリストチームは、この株式売却禁止措置が延長されなければ、11日までに売りの制約がなくなる株式は最大で1兆2400億元相当の規模になると試算した。
 一方で新たに導入されたサーキットブレーカーの効果に懐疑的な声が出ている。現行のサーキットブレーカーはCSI300指数が上下5%変動した場合に15分間取引が停止され、その後に変動率が上下7%に達すれば終日取引を停止する仕組みだ>(以上「ロイター」より引用)

 現在、中共政府は中国経済が直面しているバブル崩壊の回避に懸命の措置を講じている。しかし中共政府の経済政策は自由主義経済とは相容れない「統制経済」の範疇にあって、自由主義経済にシフトできるのか否かが問題視されている。
 たとえば上海株大暴落時に上場企業の大株主による6カ月の株式売却禁止措置などがそれだ。自由経済諸国では考えられない「統制経済」そのもので、市場による価格形成を受け入れる状況にないようだ。しかし近く期限とされる半年が迫り、株価下げ要因となっていることに対して中共政府はどのように対応するのか、世界の投資家たちは見守っている。

 ロイターの記事にある通り、海通証券のアナリストチームは、この株式売却禁止措置が延長されなければ、11日までに売りの制約がなくなる株式は最大で1兆2400億元相当の規模になると見ている。その場合にはサーキットブレーカーが発動されるが、それにより下げ要因が去ることはない。ただ暴落が一時的に先送りされるだけでしかない。
 中国経済の実態が好転しない限り、株式暴落は止まらないし外国投資家たちが中国に戻ることはない。いうまでもなく中国GDPの主力エンジンは投資だった。国内の不動産投資や社会インフラ投資などがその主役を勤めてきたが、既に投資経済のGDP牽引力は衰えて、むしろ重荷にすらなっている。その重荷の最たるものは過剰供給力だ。

 自動車産業だけでも中国には百社以上あるという。日本の数社に集約された産業形態と比較するなら、中国経済の後進性が明らかだ。その乱立する百社余りの自動車企業をいかにして集約化していくのかが問われている。それは鉄鋼生産業にもいえるし、造船産業にもいえる。
 中共政府はそうした各種産業に対して「統制」を執行する権限を有してないかのようだ。つまり国有企業の殆どは人民解放軍が有しているから、そうした企業の合併や生産設備廃棄は人民解放軍の再編に直ちに繋がることになるからだ。

 数百万人もの膨大な軍隊を擁すには膨大な予算を必要とする。日本の二倍程度の予算で賄える兵隊の数ではない。しかも武器の近代化を急ぐ中共政府に人民解放軍へ回す予算の余裕はない。結局は国営企業の暴走を黙認するしかないことになる。
 習近平氏はオバマ氏の「黙認」というお墨付きで南シナ海へ進出したが、ここに来てオバマ氏が強硬姿勢に転じたことから窮地に陥っている。国民の不満を逸らすには戦争が最も効果的な手段だが、それを決断した途端に習近平氏が中国共産党から排除されかねない政治状況にある。満足に食わせてもらっていない人民解放軍の兵隊たちに不満が鬱積しているという。習近平氏を取り巻く状況はいよいよ窮まっているようだ。


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