日銀は政府のお追従から金融の番人に戻るべきだ。

<英語によるインタビューに答えた黒田総裁は、現在の国際金融市場の混乱について「現時点で、金融市場の状況が企業行動にそれほど大きな影響を与えているとは思わない」と述べた。その一方で、「マーケットは実体経済に影響を及ぼすこともあり得るので、注意深くウオッチしている」と述べた。
日銀は28、29両日、金融政策決定会合を開く。原油価格の下落により、物価見通しの下方修正と2%達成時期の先送りは必至の情勢だ。円高の進行と株価の不安定な値動きも加わって、日銀が同会合で追加緩和に踏み切るとの見方が強まっている。無策を続ければ市場の失望を買う恐れもある一方で仮に追加緩和に踏み切ったとしても、その効果に懐疑的な見方も根強い。
黒田総裁は現在の状況について「リーマン危機後のような状況ではない」と指摘。中国経済についても「ハードランディングするとは思わない」と述べた。原油価格の急激な下落が企業や家計の物価見通しに影響を与える懸念については、「現時点で期待インフレ率は比較的維持されており、大きく低下しているとは思わない」と語った>(以上「ブルーグバーム」より引用)

 年間80兆円も国債を買い入れ、既に日銀保有国債は全発行量の1/3を超えた。それをさらに金融緩和して年間100兆円国債購入に踏み切ったとしても、株式市場や為替相場はそれほど反応しないだろう。
 そもそも異次元金融緩和はカンフル注射に過ぎない。一時的に金融関連市場を甦らせても、所詮は実体経済に裏打ちされた市場動向でないため、効果は一時的なもので終わるというのが日銀の金融政策の限界だからだ。安倍自公政権は日銀のカンフル注射だけに頼った経済政策無策で終始してきた。満足にやったことといえば財界に賃上げの要請パフォーマンスと投資要請パフォーマンスだけだ。

 安倍自公政権は登場から四年目に入ったが、実効的な政策は何一つとしてない。政権当初「経済特区構想」をブチ上げたが、未だに「経済特区」が稼働して地域経済を活性化しているというニュースを寡聞にして知らない。
 地方創生も大物大臣を据えたものの、やっていることはカビの生えた「中心市街地構想」などの焼き直しに過ぎない。それらは既に十年も前に「効果なし」として益々中心市街地が空洞化している無駄な施策ばかりだ。国交省は未だに「駅ビル補助金」を出して、駅ビルの建て替えなどを支援している。しかし鉄道が輸送に果たす比重がかつてのように蘇るとは思えない。無駄な投資をするよりも、国交省なら道路や橋などのインフラ維持・管理に全力を注ぐべきだ。

 町の中心は移動するものだ。いや町そのものが経済的な理由で盛衰を繰り返すものだ。そうした認識なしにかつて栄えた地方を昔日の賑わいに戻そうと書き割りのような舞台装置だけを弄っても効果は一時的なものでしかない。
 駅前は駅があったから栄えたのだが、その前に駅を設置する必然性があったことを忘れてはならない。つまり産業がその地域にあって人が集積し、しかも鉄路が敷かれて駅を設置する土地があったという条件を忘れてはならない。最初に駅前の賑わいがあったわけではない。

 日銀の金融緩和は経済活動を貨幣流通量という側面から支援するものでしかない。実体経済は産業が盛んになり雇用を増加させ人々の定住と社会を支える労働費をその地で支払うことが地域社会の発展の基礎だ。その基礎を丸ごと海外移転していて、地方創生などあったものではない。
 グローバリゼーションを推進した構造改革至上主義者によって、この国の地方は散々痛めつけられた。だからUターン投資減税を行え、と五年も前からこのブログで書き続けている。恒産なくして恒心なし。実体経済の伴わない金融政策などカンフル注射でしかない。効果は一時的で、すでに日銀のカンフル注射も打ち過ぎて体が反応しなくなっている。実体経済政策を着実に実行しない限り、日本経済がこれ以上上向くことはない。まずは「「国民の生活が第一」の政治を実施すべきだ。


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