公共工事の高い落札率と、遅々として進まない「電子入札」。

<東日本大震災で被災した高速道路の復旧工事の入札で談合した疑いが強まったとして、東京地検特捜部と公正取引委員会は20日、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で、工事に関わった道路舗装会社の本社などの捜索を始めた。巨額の復興予算が業者の不当な利益に回っていたとみられ、悪質性が高いとして刑事責任を調べる。

 20日午前に捜索を受けたのは日本道路、前田道路、大成ロテック、東亜道路工業の4社。公取委は4社のほかNIPPO、大林道路など計20社について、犯則調査権に基づいて昨年1月に強制調査に着手。検察への刑事告発を視野に調べてきた。特捜部も昨年暮れから担当者の事情聴取を進めていた。一部の業者は聴取に対し、談合を認めているという。「原材料費が高騰し、工事を高値で受注したかった」「結果的に、ほとんど利益が出なかった」などと説明している業者もあるという。

 関係者によると、談合の疑いがあるのは、東日本高速道路東北支社が2011年8~9月に発注した復旧舗装工事12件。落札額(税込み)は約7億~約21億円で、12社が1社ずつ、総額約176億円で落札していた>(以上「朝日新聞」より引用)

 古くて新しい問題が公共事業の「談合」だ。それでなくても「○公単価」と呼ばれる公共事業価格は一般の民間工事と比べて1.5倍から2倍以上だといわれている。
 それにも拘らず、東日本震災復興の高速道路舗装で談合が常態化していたとはウンザリする。東京監理の工事だけでなく地方自治体でも応札企業が一社だけで落札率が99.89%という信じられない事態が平然と罷り通っている。

 国交省は2012年までに「電子入札」に移行するようにすべての自治体に通達を出している。しかし2016年を迎えた現在でも「電子入札」が遅々として進んでいないのが実態だ。
 「電子入札」に踏み切っていない県知事や市長たちの言い分は「地元企業が熾烈な落札競争に巻き込まれて衰退する」というのが主なものだ。しかし「電子入札」に踏み切らなくても地方の土木・建設企業は衰退している。

 それは長年、公共事業談合で甘い汁を吸い続けた挙句、会社の体質が「糖尿病」に罹っていたからだ。企業の厳しい原価意識や技術開発などを怠ったツケが体毒として全身に回り、ついには業界から退出せざるを得なくなったのだ。
 それと企業モラルが著しく後退したのを憂えざるを得ない。名の通った不動産会社が販売するマンションの基礎杭が地盤に到達していなかったという不祥事をはじめ、中国製の強度の不足した不良骨材を使用したり、溶接不良の鉄骨を使用していたりと枚挙に暇がない。そうした業界全体のモラル低下に対して、国交省はどのような指導をしているのだろうか。自分たちの天下り先の心配ばかりして、国民のことは忘れているのではないだろうか。


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