安全運行を補佐するバス監視システムを早急に開発・装備せよ。

< 「運転手が自分の判断でルートを変更した。バス会社に対する管理不足」。ツアーを企画した旅行会社「キースツアー」(東京都渋谷区)の福田万吉社長(38)は15日、自社前で報道陣に陳謝した。

 同社がバス会社「イーエスピー」(東京都羽村市)に出した手配書では、群馬県から長野県に抜ける区間は高速道路を通る予定だった。事故が起きた現場の一般道について福田社長は「道路幅も狭く、非常に危険」と説明。これまでのツアーでもこの一般道を通る手配はしなかった。運転手が渋滞回避などで別ルートを選ぶ場合は携帯電話で了解を得る運用になっていたという。

 国土交通省によると、貸し切りバスのツアーでは、ツアーを主催する会社が行程表を作り、バス会社は行程を記した運行指示書を運転手に渡す。運転手の判断でルートを変える場合、バス会社の運行管理者の許可が必要で、許可がなければバス会社が道路運送法違反に問われる>(以上「朝日新聞」より引用)

 バス運行ルート変更や運転手の健康診断を実施していなかったなど、運転手や会社の安全管理への怠りは批判されてしかるべきだ。もちろん万全を期すのは当たり前だが、このIT時代にバスの子細なGPS管理や運転状況をモニターして本社管理部へ送信する機器は装備されていないのだろうか。
 たとえば事故を起こしたバスに乗っていた客が「バスは右へ左へ蛇行していた」と証言している。そうした運転をするのは泥酔か居眠か、あるいは突然の発作に見舞われて正常な運転が出来ないケースが想定される。そうした危険なシグナルを感知して会社に通報するシステムが開発されていないはずはない。未だ開発されていないとしても、それほど大仰なシステム開発ではないはずだ。

 乗客の安全性を第一に運航しなければならない大量乗客輸送機関なら、とうぜんそうした外部でモニターして安全を欠く事態発生があれば走行中のバスに起こっている事態の報告を求め、同乗している代替え運転手との交代を求めるのが当然ではないだろうか。
 そうした外部のモニタリングなくしてバスの安全運転はあり得ない。新幹線でも中央管理室で厳しく運行状態を監視し管理しているではないか。バスのように発車後は会社が直接運行状況を管理しないというのはいかがなものだろうか。GPSをバスに付けるのは携帯電話機能を使えば一切新規投資は必要ない。

 運行状況のモニタリングはタコグラフにそうした機能を付加すれば大した問題ではないはずだ。ただ、現行のタコグラフは事後に確認するタイプが殆どだが、携帯電話回線を使って異常発生時にそうしたデータを会社に送信し、同時に車内運転席の計器類表示パネルに警告ランプを装備しておけば良いだろう。
 安全運転の完璧を求めるなら、自動運転装置を早急に開発することだ。人間が全知全能の存在としてハンドルを握って運行する現在の自動車全般は「狂気の沙汰」だ。乗用車ですら1.5トンから2トンもの自重がある。そうした巨大な鉄の箱が歩行者の直近を疾走しているとは何かの罰ゲームかと思わざるを得ない。

 百年も経たない未来の人類は20世紀前半まで日本で毎年5000人も交通事故で亡くなっていたことに仰天するようになるだろう。ましてやバス旅行でバスが道路から転落して大勢の乗客が死傷するなどという地獄絵が展開されたなどとは想像できないだろう。百年後の自動車運転とは目的地をインプットして走行ボタンを押すだけになっているからだ。
 いかに健康な人でも夜間運転では眠気を覚える。ましてや65才の運転手にとって夜間運転はハードではなかっただろうか。安倍氏は「一億総活躍社会」と叫んでいるが、つい30年前まで定年は55才だった。事故を起こした運転手はかつての定年を10才も過ぎている。現在でも消防士や自衛官など過酷な肉体労働を必要とする職種は55才が定年だ。
 昼間の短距離ならまだしも、夜間の長距離運転は60才を過ぎた人にはきつくないだろうか。肉体は年齢とともに衰える。一億総活躍社会などと身勝手に叫んではならない。しっかりとした安全運航を確保するためのシステムを開発せよ、と叫ぶ方が「国民の生活が第一」の政治ではないだろうか。


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