社会インフラの劣化を検証せよ。

<23日午前8時10分ごろ、千葉県君津市広岡の国道410号のトンネル「松丘隧道(ずいどう)」(全長91・3メートル)で、天井部分のモルタルがはがれ落ちた。落下した部分は長さ約20メートル、幅約5メートル、厚さ約10センチ、重さは約23・5トン。けが人や巻き込まれた車はなかった。

 千葉県によると、2012年12月に中央自動車道の笹子トンネル(山梨県)で天井板が崩落した事故や、13年1月の国道410号「大戸見隧道」(君津市大戸見)のモルタル落下事故などを受け、13年2月に実施した安全点検で松丘隧道の老朽化が明らかになった。14年6月から、古いモルタルを削るなどの工事をしており、落下したモルタルは1カ月ほど前に吹き付けたばかりだった>(以上「朝日新聞」より引用)

 道路や橋、さらには下水道や上水道といった社会インフラが耐用年数を超えて使用され、劣化ぶりが至る所で目に付くようになっている。その最中に千葉県内の国道の隧道で天井部分のモルタルが23.5トンも剥がれ落ちたという。車が通っていたら甚大な事故になっていただろう。
 社会インフラは当然日々の暮らしを支える社会基礎施設として信頼を寄せている。まさか壊れたり崩落するとは思っていない。しかし、そうした信頼度は経年とともに日々低下し、ついには崩壊してしまう。

 地方の放置された道路や橋だけではなく、都市部の交通の頻繁な幹線道路にも経年劣化は忍び寄っている。東京オリンピック当時にバタバタと造られた首都高や環状線道路の橋梁部は見た目にもかなり傷んでいる。
 当時海砂を使って建設された新幹線の鉄路床は維持・管理を行っているが劣化は明らかだ。方々でモルタルが剥がれ落ちたりしているし、大規模崩落につながる罅割れなども見つかっている。さらに道路地下に埋設されている下水道の 暗渠などの劣化は道路陥没などの原因となり、大事故につながる危険が潜んでいる。

 政府はリニア新幹線の建設などと「夢」を語っているが、地上を走る航空機が必要とは思えない。むしろ現在ある社会インフラの更新の方がどれほど必要かを認識すべきだ。国道などの橋は永遠にもつものではない。重量化するトラックなどが大量に通過することにより、耐用年数以上に劣化していることも予想される。
 トンネルの崩落事故は決してあってはならない。検査の上にも検査を行い、少しでも異常が発見されたなら崩落防止策を徹底して講じるべきだ。そしてトンネル本体の劣化が発見されたならもう一度掘削工事を行ってトンネル枠を取り換えるなどの抜本的な工事も必要だ。そうしたことに国交省は本格的な目を向けるべきではないだろうか。人口減社会に転じた日本社会で、新規道路がどれほど必要かを真剣に議論すべきだ。それよりも今ある社会インフラが信頼度を落とすことなく安心して利用できる状態を保つ方が必要ではないだろうか。


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