地方都市の駅前も「限界集落」だらけだ。

 駅前から活力が無くなり、シャッター通りになっているのは地方都市の定番の風景になっている。そこで秘かに進行しているのが人口減と高齢化だ。
 地方の中心都市に各社の営業所や支店が集約され、中小地方都市の駅前「昼間人口」は激減している。駅前に林立している雑居ビルの二階や三階に入居していた各社の営業所や支店が閉鎖され、駅前周辺の飲食店から人影が消えた。もちろん夜の接待もなくなり、料飲店も閑古鳥が鳴くようになった。

 それだけではない。駅前に住んでいた人たちまで高齢化し、人口減に陥っている。つまり定住人口の激減が進行している。限界集落は山間僻地で起こっているだけではない。駅前の「中心市街地」までもが「限界集落」になっている。
 かつては駅前商店の子弟が後を継いでいたが、家業の先行きに自信が持てないため、指定は進学した都市部で卒業後に就活に励んで会社員になり、地方都市の駅前に帰って来なくなっている。地方都市の駅前が凋落しているのは定住人口面からでも明らかだ。

 そして止めを刺すのが高止まりしている地価だ。駅前に無料駐車場があるなら近郊の人たちも車で駅前に出掛けて買い物をする機会もあるだろうが、押しなべて駅前駐車場は有料だ。
 主婦は一円五円の価格差でスーパーのチラシを見て走り回る。それが買い物をして一時間も駐車していたら二百円から五百円も取られるのなら決して駅前に買い物に出掛けようとは思わない。近隣の駐車場を持つ大型スーパーに出掛けるのが常になっている。

 それなら商店主たちが話し合って駅前の「共同大型店舗」を建設して集客しようとするのか、というとそうした動きは皆無だ。ただただ行政に「中心市街地活性化」を何とかしろ、と要請するだけだ。
 依然として高い地価を唯一の拠り所として、プライドばかり高い没落貴族のような思考に陥っている。口を開ければ郊外の大型ショッピングを呪い、行政が何もしてくれないと愚痴を言う。そして限界集落は進行して定住人口は以前の50%を割り込むまでになっている。

 一度、落ちるところまでとことん墜ちなければ、這い上がることは出来ないように見える。地価も下落して誰も駅前に見向きもしなくなり、見捨てられた時こそが再生の機会になるだろう。
 駅前商店街の店主たちが自力で商売を再開するのを諦め、総意として『共同化』しなければ何もできないと意見集約が為されない限り、駅前商店街の再生はあり得ない。細々と行政が一年間だけ開店資金と家賃補助を行って「喫茶店ごっこ」や「カレー店ごっこ」を空き店舗で行っているようでは再生は決してない。むしろ行政も徹底して「自力再生」を駅前商店街に求めるべきだ。そうしない限り力強く駅前商店街が再生することはない。


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