報復の連鎖を繰り返しているに過ぎない。

< 米国主導の有志連合は過去1カ月間、過激派組織「イスラム国」の指導者ら10人を空爆で殺害した。先月のパリ攻撃に関わったとされる人物も含まれる。
有志連合の報道官が29日明らかにした。一部の人物は、西側諸国へのさらなる攻撃計画を所持していたとしている。
報道官によると、殺害された1人はイスラム国の対外作戦を手助けしたほか、パリ攻撃のネットワークにつながりがあった。イラク北部のモスルで26日、殺害したという。
イラク軍が要衝ラマディでイスラム国に勝利宣言するなど、報道官は空爆の成果が最近表れているとの認識も示した。
報道官は「成功の一因は、イスラム国が指導層を失いつつある事実にある」と指摘。ただ、「(イスラム国は)まだ牙を持っている」と警告した>(以上「ロイター」より引用)

 有志連合はISを無力化するために空爆を実施して幹部を殺害している、とロイターは報じているが、幹部だけを殺害しているわけではない。幹部が潜んでいるとされる建物のみならず、誤爆か何かの手違いか小学校まで爆撃している。多くのISと関わりのない地域住民までも殺害されている事実を我々は知らなければならない。
 なぜ空爆しないでISの資金源を断つ方法を採らないのだろうか。ISが「神なる力」で兵士たちを養っているわけではない。当然潤沢な資金がなければ戦闘は継続できないし、飢えの脅威と戦いながら戦闘を続けることはできない。資金源を絶てば空爆は必要ない。

 ISの資金源は原油だ。クルド族の暮らす地域は原油が湧き出る。そこを軍事的に確保し、ISはトルコ経由で原油を売りさばいているという。それを購入している国々に有志連合も入っている。
 安い原油があればそれを購入する、というのが世の常だ。しかしISの資金源を断つつもりなら、徹底してISが支配する地域から原油を買わないことだ。そうした経済制裁を続ければ放置していてもISは無力化する。

 しかし有志連合諸国は現在の世界体制を維持したいと思っている。一方で利権ビジネスの地球温暖化を叫びながら、決して化石燃料消費の総量規制を始めようという議論をしない。CO2が温暖化の元凶だとプロパガンダを垂れ流しているが、それならCO2排出の元凶たる化石燃料消費の総量規制をすべきだという単純な結論すら採択しない。なぜなら原油ビジネスに多くの国と投資家たちが関わっているからだ。
 ISの原油に色がついているわけではないから、安い原油が手に入れば仲介業者は儲かる。儲けの仕組みは潰さないで、ISだけを潰せば良い、という考えから空爆に踏み切った。しかし報復の連鎖は益々大きく強くなって繰り返されるだけだ。

 ISがテロを行うにも資金は必要だ。空路移動したり爆発物を手に入れたり、銃器で装備しなければならない。そうした資金源も原油の取引から得たものだ。IS幹部を幾ら殺害したところで、資金源が枯渇しない限り次の指導者が現れる。
 ISは宇宙人のようにこの地上に降り立ったのではない。そして「聖戦」も霞を食って行っているわけではない。彼らがやっていることは原油産出国がやっている原油の独占と潤沢な資金による地域住民支配、という構図のコピーそのものだ。米国やロシアの国内支配構造と余りに似通っていて、兄弟を見ているようではないだろうか。


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