「一攫千金」に殺到する中国民。

<中国で最も活気に溢れる「オンライン・ツー・オフライン(O2O)」、つまりオンラインのモバイルユーザーをオフラインである地元の実店舗やサービスに誘導するテクノロジー業界では、社区001のような新興企業が何百社も破綻している。

評価があまりにも急上昇したために投資家が二の足を踏み、新規資金の調達にブレーキがかかってしまったためだ。企業幹部や投資家が「市場バブル」と表現する状況のなかで、さらに多くの企業が倒産するか、他社と合併していくものと予想される。

アプリや、オンデマンド、ロジスティクス重視のO2O事業は、潜在的な市場規模が10兆元(約190兆円)と予想されており、これに魅了されたベンチャーキャピタリストなどが殺到。多くの場合、ブームに乗るために不足しているのは資金と機能的なアプリだけという企業に、数十億ドルの資金が投じられたのである。

ベンチャーキャピタル情報データベースの「CBインサイト」によれば、現在中国には実に21もの「ユニコーン」と呼ばれる評価額10億ドル以上(約1220億円)の未公開新興企業があるという。だが、利益を出している企業が稀なのに対し、膨張した評価額は投資家にとって割高となり、新規の資金流入は途絶えつつある>(以上「ロイター」より引用)

 中国ではバブル崩壊の連鎖が続いている。不動産バブルは崩壊して中国全土でシャドーバンクと呼ばれる民間資金調達投資会社が一万社も倒産したといわれている。その一方でセメントや鉄鋼などの基礎資材を生産していた企業は供給過多に陥り、商品市場は低迷を続けていて生産設備の大幅な廃棄は必然とみられている。
 そこで行き場を失った中国内の投機資金がO2OなどのIT企業に殺到してたちまちバブルが大きく膨らみ、却って資金調達コストが上昇して投資家たちが敬遠し始めたため企業資金が枯渇する、という悪循環に陥った。

 冷静さを失った中国投機資金はあらゆるものをバブルの標的に変えてしまうようだ。それでは健全な企業が中国内で育成される機会はまずないといって良いだろう。
 それは歪な中国の宿命というべきだ。国営企業が幅を利かし軍閥が絡んだ利権国家で、元経済の飛躍的な拡大と民間企業の成長のバランスが取れないため、ほんの僅かな機会に「一攫千金」を求めて資金が殺到することになる。それでバブルにならない方がおかしい。

 中共政府は国営企業をまず民営化すべきだった。そのためには国営企業と人民解放軍とを切り離すべきだった。しかし、それは人民解放軍の利権を奪うことになり、最悪の場合は軍の離反を覚悟しなければならない。そうしたケースに中共政府は対応できないと判断して、国営企業の民営化が遅れたのだ。
 社会主義国の中の資本主義の限界が現在の中国の姿だ。中共政府が政権を維持している限り、中国は現在のバブル崩壊から解き放たれることはない。一分野のバブル崩壊は他の分野にバブルを創り出して崩壊させる、ということを繰り返して、ついには社会秩序そのものも崩壊することになる。まさしく中国は中共政府瓦解の途上にある、とみるべきだろう。


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