災害に強い国土の形成を。

 ここ数日の「線上前線豪雨」により茨城県や宮城県の河川が決壊して甚大な被害を各地にもたらした。被災された方々には心からお見舞う申し上げます。
 ことに宮城県の被災された方々は四年半前に大災害で被災され、やっとのことで家屋を新築されたばかりで再び被災され、余りのお気の毒に、お見舞いの言葉もありません。

 指摘するまでもなく、線上に雨雲が次々と湧き上がり、一定地域に長時間豪雨が集中するという特殊な条件があったものの、災害の発生を何とか小規模に食い止め、被災者が出ないような方策がなかったのかと思わざるを得ない。
 思い出すのは昨年夏の広島市安佐北区の災害現場の映像だが、そこに砂防堰堤が一ヶ所も認められなかったことに衝撃を受けた記憶がある。あの谷川に何ヶ所かの砂防堰堤があったなら、犠牲者は出ないで済んだかも知れない。

 鬼怒川の氾濫に関しては温泉街の被害も相当なものだったようだが、その温泉地に到るまでに防水堰堤があって、ちょっとしたダムが築けるような場所があれば、そこを氾濫原として遊水させる知恵もあったのではないだろうか。
 さらには水源地から下流域の広範囲の植栽はどうだったのかという疑問もある。降雨を一時的に保水して、一気に河川に流れ込まないような植栽が為されていたのか、という懸念だ。

 私は地方の中山間地に長年暮らして、山野の荒廃に心を痛めてきた。戦後に植林された杉林は碌に間伐されないまま鉛筆のような幹に枝打ちされていない茫々たる荒れ地になっている。そこに強い竹が入り込み、一山竹林という有様も珍しくない。そうした山に保水力はなく、降雨は一気に山肌を駆け下りて河川に流れ込むに違いない。
 しかも中山間地の多くの田畑は耕作放置され、以前はちょっとしたダムとして機能していた保水能力も完全に喪失している。雨水は降ったままの量が河川に時を於かずして注ぎ込んでいるのだろう。そうしたことが鬼怒川などでも起こっていないか、気になって仕方ない。

 都市は都市だけで存在しているのではない。山間部や周辺部と共に存在している。河川もそこだけで存在しているのではない。源流から営々と流れ下る広い地域と共に存在している。
 そして家屋建設などを規制する都市計画では地域指定に気を配って、河川堤防近くの建築に関して理解と協力を得ながら私権の制限を行うべきだろう。出来れば高台に建築すべく行政指導を行うべきだ。あるいは洪水に備えた建築を行政は勧告すべきだろう。そして地域の防災拠点を設置して、万が一に備えた町造りを行うべきだ。決して災害で犠牲者を一人も出さない、という決意で行政と地域住民詩取り組むべきだ。それも源流まですべてを俯瞰した視点で検討すべきだ。

 政府も専用機を使ってバラマキ行脚をする暇とカネがあれば、全国に災害強靭化国土形成を特別にすべく、まずは総点検と対策を立てて、早急に出来るところから実施すべきだ。
「戦争法案」を審議するまでもなく、戦争は国内で起こっている。それも国民に差し迫った命の危険があり、財産を侵害される危険性も極めて高い。米軍のパシリに自衛隊を使役に差し出す暇はない。まずは災害防止を含めた国防こそに専念すべきだ。安倍自公政権よ、正気を取り戻せ。


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