TPP交渉の未締結を単純化・矮小化して「残念」と伝える日本のマスメディア。

 新聞もテレビも、この国のマスメディアはTPP最終閣僚級会議で結論が出なかったことを「残念」と伝えている。そして、テレビの報道番組もTPP参加が決まれば「自動車関連企業はプラス」で「農産物関連業者はマイナス」と単純化して伝える、という低脳ぷ゛りだ。
 安倍氏が全農の単協への監査権剥奪などの改革を強行したのは農協を解体して、農産物は米国穀物メジャー傘下に組み入れるため、共済は米国保険会社にバーゲンするためで、農協貯金は米国金融機関にバーゲンするためだという魂胆をなぜ説明しないのだろうか。

 そして何時の間に日本はTPP参加に国を挙げて前向きになっていたのだろうか。決してそんなことはない。日本国民の多くはTPP参加はむしろ非関税障壁に相当するISD条約により、日本国内制度まで米国の格差社会に組み込まれることを懸念している。
 実際に先に米韓FTAを締結した韓国がいかに米国並みの制度導入で悲惨な目にあっているかは先日このブログで書いた。それと同様に日本も米国並みの行政制度を強いられることは覚悟しなければならない。その前どりとして「軽基準」の見直しが行われたと理解すべきだろうし、TPP参加が決定すれば米国内企業から「軽基準」と「医療保険制度」は真っ先に問題として提訴される可能性が大だ。

 米国穀物メジャーは日本国内農業を壊滅的にして米国資本の農業企業が進出し(その先導役はコシヒカリの種籾を持ち出した商社が果たすだろう)、国内制覇した暁には穀物価格を異常に吊り上げるに違いない。そうした手口が米国ハゲ鷹投機家たちの「国際戦略」だ。
 竹中氏たち構造改革派の唱えるグローバリズムとはハゲ鷹投機家たちの正当化以外の何物でもない。関税率の引き下げはそれぞれの国の事情を勘案して有り得る話だが、TPPのような関税撤廃や非関税障壁の撤廃などは属国化以外の何物でもない。完全自由化になれば図体の大きい方が勝つのは当たり前のことだ。ニュージーランドやオーストラリアなどが強行に利益を主張するのは当然だ。それに対して皮肉を言う甘利氏の方がアマリに能天気なのだ。

 米国流の生産から保険などのノウハウまで、日本に移植しようとするTPPには断固反対だ。1%が国民の富を搾り取る米国社会になることを日本国民は望んでいない。「国民の生活が第一」の政治に日本の政治家は回帰すべきだ。


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