中国は国民の生活が第一の政治を行うべきだ。

<中国が元安誘導へ経済政策のかじを切り、初日からこれほどの元安を容認した背景には、国内総生産(GDP)成長を支える実体経済の指標がいずれも振るわない厳しい現実がある。
 8日発表された7月の貿易統計で輸出入を合わせた総額が前年同月比8.2%減と、5カ月連続で前年同月を下回った。賃金高騰と元高のダブルパンチで輸出競争力が低下している。11日発表された7月の新車販売台数も同7.1%減で4カ月連続のマイナスと、内需の弱さを示している>(以上「産経新聞」より引用)

 中国のGDPは五割弱の投資と三割強の貿易、それに二割の個人消費によって形成されている。その国内投資が経済によって惹起されたものでなく、鬼城(ゴーストタウン)などの投資であれ何であれ、実施してGDPを引き揚げれば良い、というその場凌ぎの経済原則を無視したものだった。
 しかし経済原則を無視した投資は不良債権を国内に山のように造りだすだけで、ハリボテ化した中国経済の実相が露わになるにつれて外国投資家たちは中国市場から手を引きだした。そこに消費者物価のインフレに伴う労働者賃金の上昇により中国製品価格も上昇して輸出貿易も鈍化せざるを得なくなった。

 中国国内の個人消費は労働賃金が上昇したとしても平均月収4万円程度で、一体何を買えというのだろうか。平均的な日本の国民が持っているような家電製品にしても、平均的な中国国民が買えるような価格ではない。日本ではGDPの六割近くを個人消費が占めているが、中共政府は内需主導の経済を実現するための施策をやってこなかった。
 中共政府は経済成長の初期に国営企業を大幅に民営化して民間資本の充実と、労働分配率を上げる政策を強力に推進すべきだった。そして社会保障の充実を図るべきだった。しかしそうした経済の果実を特権集団が私物化し、私腹を肥やすことに腐心した。

 中国企業の約半分は国営企業で、残り半分は外国企業の投資により設立された外資だ。国民経済は成長どころか萌芽する機会すら奪われてきた。これほど脆弱な経済構造を放置したままGDP拡大を最優先としてきた中国経済では国民を満足させることは永遠にできない。
 習主席は自身の権利掌握と強化のために腐敗追放を手段として有力者たちを捕縛し利権から遠ざけてきたが、ここに来て習主席に反発する派閥が昂然と対抗し始め権力争いが熾烈になってきたようだ。しかし中国民が求めているのは政権の権力争いではない。経済の透明化と民間資本形成を促進して国営企業を民営化し、国民経済を豊かにすることだ。

 しかし既に時遅しではないだろうか。中国経済は崩壊している。元安は一時的に輸出を刺激するが、世界最大の原油輸入国の中国を輸入価格上昇がインフレ要因となって襲うだろう。経済に打ち出の小槌はない。必ず何かに関連して反作用を受けるものだ。
 野放図に生産した粗鋼の山を売り捌くのに元安が有効だと判断したのだろうが、安ければ買うだろうというのは相手を甘く見過ぎている。購入動機は価格だけではなく、製品の品質も重要な要素だ。世界に染みついたメイドインジャパンが「安物の粗悪品」というイメージから「割高だが品質は最高」というイメージに変えるために日本がどれほど努力したか、中共政府は知らないのだろうか。中共政府は小手先の為替策で乗り切れると中国経済鈍化の病理を読んでいるとしたら大間違いだ。


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