日本の首相の訪中に三条件を課すとは非礼にもほどがある。

<中国側には安倍首相の訪中を戦後70年の外交成果につなげたいとの思惑がある。関係者によると、中国側が新たに示した条件は(1)日中間の四つの政治文書の順守(2)村山談話の精神の踏襲(3)首相が靖国神社を参拝しない意向の伝達--との内容。楊国務委員は谷内局長と北京の釣魚台迎賓館で約5時間半会談し、対話を継続・発展させていくことで一致し、さらに安倍首相と習近平国家主席の首脳会談の調整も進めたという。中国側の3条件提示を受け、日本側は内容の検討を開始した模様だ。

 3条件のうち「靖国不参拝の表明」は安倍首相にとって受け入れが難しい内容だが、中国側は不参拝の意向が非公式に伝えられるだけでも条件が満たされたと歩み寄る可能性がある。過去2度の両首脳の会談でも、中国側は不参拝の表明を条件にしていたが、公式の表明はなくても会談は実現した。
 日本側にも内閣支持率が急落する中、安保法制の事実上の対象とされる中国との歩み寄りは、大きな政治的効果が期待できる。中国側は、こうした安倍政権にとってのメリットも見据えて3条件を提示したと考えられ、双方の思惑が一致すれば、訪中が一気に実現へと動く可能性がある>(以上「毎日新聞」より引用)

<まず「四つの文書」が何を指すのかを説明しましょう。いずれも両国が交わした政治文書で、(1)1972年の日中共同声明(2)78年の日 中平和友好条約(3)98年の日中共同宣言(4)2008年の「戦略的互恵関係(せんりゃくてきごけいかんけい)」の包括的推進(ほうかつてきすいしん) に関する日中共同声明−−の四つです>(<>内「毎日新聞」引用)
 国際的に認められた日中二国間条約を遵守するのは当たり前のことだ。それは日本の問題ではなく、むしろ中国の側に問題があるのではないだろうか。1972年の日中共同声明で日中間に過去の問題は一切ないとされた。その代わりに日本は中国に巨額な円借款や資金援助を行った。

 第2の村山談話の踏襲は代々日本の首相が宣言していることだ。先の大戦に関して様々な歴史観があり、様々な評価があるらせよ、戦争を賛歌すべきではなく、痛恨の極みとして二度と同じことを繰り返してはならない、という認識は日本のみならず中国も同じことではないだろうか。それなら軍事的圧力を東シナ海や南シナ海沿岸諸国にかけている中国がまずは自省すべきではないだろうか。
 そうしたこともなく、日本に一方的に「先の大戦を反省・謝罪表明した」村山談話の踏襲を現日本国首相に確約させるとはいかなる魂胆だろうか。日本に反省の色が見えないとして、反省と謝罪のお代わりを安倍氏にも求めようとしているのだろうか。一体いつまで過去を持ち出せば中国は未来志向の話に移れるというのだろうか。

 第3の条件を日本国民は呑めない。なぜなら靖国参拝は思想信条の自由は憲法で保障されている国家の首相として誰からも指図を受けないからだ。国家行事として安倍氏が靖国神社を参拝しない限り、彼が神道を信仰しようと仏教を信仰しようと、誰からも批判を受けない。
 世界で中国と韓国だけが靖国を戦前明治国家と関連付けて問題視しているが、それは朝日新聞がA級戦犯が合祀されていると騒ぎ出してからのことだ。しかし日本には死者はすべて「仏」だという観念があって、死者を差別することはあり得ない。しかもA級戦犯をはじめ、すべての戦犯はサンフランシスコ条約締結直後の国会で全会一致で名誉回復している。未だに「戦犯」との合祀を問題視している日本国民はいないはずだ。

 日本政府に三条件を提示して、それらを呑むなら日本の首相と習主席は会います、とはなんという非礼な国だろうか。日本から中国の主席に頼み込んで会う課題も必要もない。むしろ中国は最大の貿易相手国の日本の首相に礼を尽くして面会に来るべきだろう。日本の側に緊急に中国主席と面会して抗議すべき問題は多々あるが、彼と面会してお願いする懸案事項はなにもない。
 非礼な「三条件」を掲げているような相手と面会する必要はない。もう少しすれば習近平氏は政権の座を追われる可能性が大だ。是が非でも習氏と面会すべき必要性はなく、相手が代わるまで放置していて良いのではないだろうか。


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