新幹線殺人・放火自殺男は年金に不満があったというが。

<林崎容疑者は年金受給額について「35年間払っているのに24万円しかもらえない」と、頻繁に訴えていた。1人暮らしで、清掃会社で働いていたが、「仕事は辞めた。年金が少なく、生活できない」とも話していたという>(以上「サンスポ」より引用)

 動機は何であれ、新幹線内で揮発性油を撒き火を点け自殺するとは常軌を逸している。その自殺した71才の容疑者が口にしていた不満が「年金が少なくて生活できない」ということだったようだ。
 35年間払って24万円とは厚生年金だろうか、それにしても生活できるかできないかは別として、決して少ないとはいえない。国民年金であれば平均支給額は月額54千円で、二ヶ月に一度の支払額は108千円でしかない。林崎容疑者はその倍以上の年金を受給していたことになる。

 月額に換算すれば半額の12万円程度となるが、国民年金なら満額支給でも月額は6万5千円でしかない。林崎氏の焼身自殺原因が「少ない年金」だとしたら、国民年金受給者は全員焼身自殺しなければならないことになる。
 官僚や政治家たちの高額所得者たちがこの国の社会保障制度を作って運用しているから、下々の貧乏人の気持ちは解らないのかもしれない。しかし、だからといって新幹線での他人を巻き込んでの焼身自殺を擁護するつもりは微塵もない。71才にもなって年相応の分別も充分にあるだろうに、それでも死にたいのなら他人に迷惑をかけないように一人で静かに死ねば良い。

 年金に不満があったのなら年金制度そのものを改正すべく政治に働きかけるなり、ブログ等で多くの人たちの共感を喚起すべく書き続けるなりの努力をすべきだった。何もしないで不満ばかり蟹の泡のようにブツブツ呟いていても、怠惰な官僚たちが既得権を手放して年金制度改革を自ら乗り出すなどといったことは決してない。
 政治家も官僚たちの出してきた政策をそのまま国会に提出して多数決で決して国民に押し付けるだけの仕事をして、高額年俸を手にしている特権階級に堕している。制度改革を目指すなら、まず官僚を貧困化させなければ駄目だ。貧困階層に官僚たちがなれば、消費増税が生活に大きく響くことが身に沁みるだろう。公務員住宅をすべて廃止すればアパート代の高額さに身が震える経験もするだろう。そうすれば住宅政策も変わり得る。

 官僚たちも戦場で弾の下をくぐれば「戦争法案」に反対するだろう。政治家の老人たちにもぜひ米軍の戦場で砲声を身近で聞いて戴きたい。他人事の政治が罷り通るのは想像力が欠如しているからだ。つまり官僚や政治家たち政治に携わる人たちが劣化しているし、本来なら国民の代わりに非を鳴らすマスメディアが政治家に奢ってもらって会食しているのだから万事休すだ。
 国民は政治に不満がある。だからといってテロ行為に走ることはしない。あくまでも民主主義の手続きに従って政治を変える手順を踏む。それが立憲主義のあり方だ。


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