米中は巧みに使い分けている外交のダブルスタンダードを止めるのか。

<ウォールストリート・ジャーナル紙など米メディアによれば、米当局は高商務相ばかりでなく、中国側の調査対象として35人をリスト・アップ、その筆頭格に王岐山氏を挙げている。王氏の配下で党幹部不正取り締まりを担当した公安部長、中国銀行副行長、中信集団など国有企業大手のトップも含まれる。
 王岐山氏自身は夫人(姚依林元副首相の娘)との間に子はない。しかも、中国国内でも清廉潔白で厳しく悪をただすとの評判がある。ところが、米当局は周辺の党幹部からの依頼を受けて、交流のあるモルガンなど米金融大手に「口利き」して利権を仲介したとの嫌疑をかけている。
 モルガンが党幹部子弟の雇用継続でどれだけの不当な利益を得たかどうかを、厳密に実証するのは実際には困難で、結局はモルガンへの罰金を科す程度で決着させるとの見方が強かった。ところが、米当局は王岐山氏に狙いを定めていることをメディアにリークしたばかりか、対外情宣活動を行うボイス・オブ・アメリカ(VOA)の中国語版「美国之音」の5月29日付インターネット番組に北京に批判的な在米中国人専門家4人を登場させ、習主席や王氏の不正蓄財取り締まりのいい加減さを余すところなく語らせた。
 「美国之音」については北京当局が報道管制し、本土での受信を遮断しているが、海外の中国人社会にはその内容が知れ渡っている。ほんの一部を除き、大物の腐敗幹部については不問に付しているばかりか、取り締まる王氏の周辺は米金融大手と癒着三昧、というわけで習主席の面子は丸つぶれである。オバマ政権はワシントン・ニューヨークの王氏とのパイプを廃棄し、北京と全面対決に転じたのだ>(以上「産経新聞」引用)

 米国のオバマ大統領は就任以来、対中政策で「融和策」を講じてきた。それは緊張緩和をもたらした半面、習主席の増長を招いてきた。ついには習近平氏が「太平洋を米中で東西二分しても、十分に広い」と発言するまでに到って、オバマ氏は自身の対中政策の誤りに気付いた。
 中国に融和策は通じないと悟って、南シナ海に進出した中国に対して強硬姿勢に転じたが、その姿勢は米国内に資金移動した中共政府要人や党幹部、並びに軍幹部たちによる巨額に上る不正蓄財の追及で習近平氏の側近として働いている王岐山氏の不正までも暴いてしまった。それにより習近平氏の面目は丸潰れになったというが、習近平氏も米国に莫大な財産を移し、息子が米国で高級車フェラーリを乗り回しているのは有名な話だ。

 米国は中国が対米輸出を突出させても中国に対して何ら貿易輸出入格差是正を要求してこなかった。ただ中国「元」為替レートで為替変動制を採らずに、固定制を採っていたことに対してだけ批判してきた。
 それにより中国は廉価な製品の集中豪雨を米国に降らしてきた。かつて日本が躍進する工業技術で米国製品を圧倒して米国市場に大量の日本製品を溢れさせた時にはどうだっただろうか。米国は血相を変えて「内需拡大すべき」と日本円の切り上げを断行したではないか。それにより日本は何度苦汁を飲まされてきたことだろうか。

 その代りに中国は米国債を大量に購入した、と反論する人がいるが、米国債の大量購入は日本も同じことだ。しかも「国際通貨」となっている日本「円」に対して、ローカルカレンシーに過ぎない中国「元」を発行する根拠として中国は米国債を充ててきた。
 つまり中国の大量「元」増刷を支えてきたのは購入した米国債の信用を担保としてのことだった。だがその米国債を中国は国内経済の不調から放出せざるを得なくなっている。そうすると、米国は中国に「大量米国債購入のお得意様」として遠慮する必要はなくなった。もっとも米国は米国債大量購入の日本に対して遠慮したことは一度としてないが。

 オバマ氏は大統領就任直後から一貫して対中政策を誤ってきた。対中政策で日本が誤ったのと同じ轍を踏んだといえる。
 中国に対しては冷淡にして冷徹でなければならない。中共政府に「人情」だとか「恩義」だとかいった「惻隠の情」は通用しない。通用しないどころか、日本の経済支援や技術援助、さらには日本企業の直接投資などが中国経済躍進の主要部分を占めてきたにもかかわらず、一旦経済力という果実を手にすると日本を足蹴にし始めた。日本が技術援助した「新幹線」でも、中国は直ちにコピーして「中国製の新幹線」として世界に売り込みをかけている。かの国に支援の手を差し伸べて益は何もない、という実証を日本がしている。やっと今になって、米国もそれに気付いたようだ。

 利用するものはすべて利用するし、自分の利益になることなら何でもやる、というのが中共政府の中国だ。中国がGDP第二位の経済力と自ら誇っている経済力の原動力の国内企業はその半分が外国企業だ。しかも独自に開発した技術力は乏しく、殆どが大量の部品を外国化に購入して組み立てるだけの「産業」だ。
 底の浅いハリボテ経済が世界第二位を誇る中国経済の実態だ。日本政府とマスメディアが南シナ海の中国進出を「戦争法案」に表現する日本に差し迫った危機として大袈裟に煽るのに乗せられてはならない。弱きを挫き強きを助けるしか能力のない中国を、世界の防衛強国・日本が不当に恐れる必要はない。中共政府には日・米に戦争を仕掛ける軍備も戦費もない。

 それでも中国との友好関係を拡大すべきとする反日・日本人がいる。なぜ懲りないのだろうか。
 これまで散々日中友好に日本は勤めて来たではないか。その成果が中共政府の反日政策だ。そうした事実に学ばない者は一体何に学ぶのだろうか。


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