医療費抑制のために20万床削減とは。

<医療や介護の体制を検討する政府の専門調査会は15日、医療のニーズに合わせて必要性の低い入院を減らし、医療費の抑制につなげたいとして、病院のベッド数の削減に向けた目標をまとめました。
それによりますと、現在134万7000床ある全国の病院のベッド数を、10年後の2025年には最大でおよそ20万床減らし、115万床程度にしたいとしています。
地域別では北海道で1万5000床程度、福岡県で1万4000床程度を削減する一方、神奈川県や大阪府では高齢者の増加数も多いことから、今より1万床程度増やす必要があるとしています>(以上「時事通信」引用)

 10年20万とは安倍自公政権の好きな数字の組み合わせのようだ。少し前には10年間毎年20万人の外国人労働者受け入れ、という計画が発表されたばかりだが、今度は10年後に20万床削減だという。
 人口減だから病院のベッド数を減らせば良いというのはいかにも60裁定年の官僚が考えそうな医療費削減計画だ。そもそも人口減と病床削減とが短絡的につながる発想が老人介護の現場を知らない者の浅知恵だ。人口減は必ずしもベッド数削減の動機にはならない、という現実を知るべきだ。

 子供たちが都会へ出た地方の老人たちがいかに過酷な「老老介護」を強いられているかを官僚たちは知らなければならない。その結果として、高齢の配偶者を高齢の配偶者が殺害する、という悲惨な事件が多発しているが、それは「老老介護」の氷山の一角に過ぎない。
 病床を削減して「在宅介護」を推進すれば医療費が削減できる、としているが、誰が在宅介護を支えるというのだろうか。独居老人の場合は病床を削減した結果、自宅でミイラになる運命しか選択肢が無くなるのではないだろうか。ことに国民年金受給者なら、高額医療費が支払えないどころか、介護保険の利用すら経済的理由から思い止まらなければならないだろう。

 医療や介護の体制を検討する政府の専門調査会の委員がどのような構成か知らないが、経費削減というのならなぜカルテの電子化一元管理の実施を検討しないのだろうか。老人を検査漬けにして、病気を作っている医療機関すらある。スーパーのレジ袋一杯の薬を処方されて、飲み残す老人を何人も知っている。
 なぜ簡単明瞭なカルテの電子化による一元管理をしないのだろうか。そうすれば過剰医療や病院のハシゴも防げるだろう。地域別の特定病気の多発生とその原因の絞り込みや、予防がもっと機動的にできるだろうし、特定の医療機関による病気製造の実態も把握し易くなるだろう。それを病院経営者が恐れて、個人情報を盾にして反対しているのは明らかなのだが、官僚たちも医療機関をハンドリングする手段として彼らの裁量権を温存したいがために、医療費削減の財源を病床削減に求めるのは国民に負担を求めるのと同じことだ。

 何のために消費増税をしたのか。財源が足りないというのなら、無駄遣いをまず省くべきだ。10年20万という馬鹿な一つ覚えのような政策はやめるべきだ。そういえば外国人労働者も同じ厚労省の所管だ。


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