中国景気減速に中共政府はどう対処するのだろうか。

<中国の中央銀行、中国人民銀行は10日、金融機関の預金・貸し出しの基準金利を11日から0・25%幅引き下げると発表した。利下げは3月1日以来。企業や個人がお金を借りやすくする金融緩和策の連発は、歯止めのかからない景気の減速への中国当局の危機感を映し出している。
 今回の利下げで1年物の金利は、貸し出しが5・10%に、預金が2・25%になる。人民銀が昨年11月に2年4カ月ぶりの利下げに踏み切って以降、今回の局面での利下げは3度目だ。この間、同様にお金を借りやすくする効果がある預金準備率の引き下げも今年2月と4月に繰り出しており、中国は本格的な金融緩和の段階に入っている。
 中国の1~3月の国内総生産(GDP)成長率は7・0%で、政府の年間目標ぎりぎりまで減速。4月も輸出が前年割れした。人民銀は今回の利下げの理由について「外需も変動が大きく、我が国の直面する経済の下ぶれ圧力は強い」としている。
 人民銀は同時に、金融機関の裁量で決められる預金金利の上限を現行の「基準の1・3倍」から1・5倍に引き上げ、金利の自由化をさらに進める>(以上「朝日新聞」引用)

 中共政府はこの4-6月期のGDP対前年比6.8%増と予測しているが、それはリーマンショック直後の2009年1-3月期以来の7%割れとなる。それは政府が年間見通し7%とした「常態経済」をも下回るもので、今年の予測物価上昇率1.5%と併せて景気悪化が中国民の生活を直撃すると危機感を抱いている。
 そのための金融緩和策だが、既にシャドーバンクは全国で1万社を超える倒産が続いている。実質的に中国内の投資経済を支えていたシャドーバンクの倒産により、全国的に収縮している「信用経済」を中央銀行の金融緩和策がどれほど補うことが出来るのか疑問だ。

 指摘するまでもなく、中国のGDPの半分以上は国内投資に依存する、という歪な形態になっている。それは個人消費が3割に満たず、第二のGDPのエンジンが貿易経済に依存している経済状態からみても、貿易取引も収縮している状態は中国経済を回復不可能の景気悪化の坂道を転がり落ちていることを示している。
 それは富の配分が一部特権階級に偏り、幅広い中国民の可処分所得の底上げが出来ていないことによる。つまり経済成長により層の厚い中間所得層が形成される前に経済成長が終息しようとしていることに原因がある。明日には豊かな暮らしが手に入る、と希望があるうちは格差社会にも目を瞑ることが出来たが、今後は中国民の募る格差社会への不満を解消することはできなくなる。

 いかに政府が情報を遮蔽しようが、日本など海外へ大勢の国民が観光に訪れている現在、自国の社会保障制度がいかに不備な状態で放置されているかを中国民は知りつつある。毎年数十万人の中国の若者も留学などにより自由主義国の社会を知っいる。そうした知識の蓄積は中共政府の特権階級維持装置と化している強権的な統治に反発を抱くのは時間の問題だ。
 それを少しでも逸らそうとして習主席は汚職役人狩りを加速しているが、習主席の身近にも汚職の影が差していることを国民は知っている。中国共産党全体が特権階級に浸かり切って汚職に塗れていることは国民周知の事実だ。今後鷹真似国民の不満をいつまで政府は一党独裁体制で乗り切るつもりなのだろうか。中国経済の減速が益々格差社会の陰の部分を色濃くしていく。現体制のまま国民の不満を押さえつけるのには限界があると見られるが、さりとて改革の意思が中共政府にみられないのも事実だ。習主席は高まる国民の不満をどのようにコントロールするのだろうか。


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