似た者同士の奇妙な助け合い。

<中国の習近平(シーチンピン)国家主席が9日にモスクワ・赤の広場で開かれる対独戦勝70周年の軍事パレードに出席するため、ロシアを訪れる。欧米の首脳が参加を見合わせる中、中国はロシアに寄り添う。「反ファシズム」を「抗日」より前面に打ち出すのは、各国に広がる「中国脅威論」を薄め、9月に北京で開く軍事パレードを成功に導きたいという狙いからだ。
 4日夜のリハーサルでは、平均身長1・88メートルの精鋭を集めた中国軍の儀仗(ぎじょう)隊が中国国旗を先頭に行進した。
 5年ごとの対独戦勝記念行事。過去にも江沢民(チアンツォーミン)氏、胡錦濤(フーチンタオ)氏ら指導者は出席しているが、儀仗隊の派遣は初めて。習氏はパレードを参観するほか、第2次大戦を戦ったロシアの元兵士と会見する予定だ>(以上「朝日新聞」引用)

 日本にとった軍事的脅威を日々与え続けている両国が協力関係に入るのは決して望ましい状態ではない。しかし露中が助け合わざるを得ない関係も今日的な国際状況に原因がある。
 ロシアは一度は解体した旧ソ連の版図を回復すべく近隣諸国を併合しつつあり、ウクライナとの国境線を軍事力を背景にクリミア半島を強引に変更した。中国も軍事力を背景にチベットやウィグル人の地を強引に併合し、現在は南シナ海フィリピン沖のサンゴ礁を埋め立てて軍事基地となる飛行場を建設しようとしている。また中国は軍事的圧力を掛けて東シナ海の日本領・尖閣諸島を奪い取ろうとしている。

 ロシアは旧ソ連の時代に、先の大戦終結直後の混乱に乗じて日本の領土・北方四島を火事場泥棒のようにして軍事侵攻し支配下に置いている。そうした意味で露・中は兄弟のように似通っている。
 似通っているから時として露・中の国境線を巡って紛争を演じたりしているが、今回はお互いの打算から協力し合うようだ。似通っているといえばロシアも中共政府も厳密には戦勝国ではない。ただ一部民族と同じ民族が国家を形成しているというだけの「正当性」しかない。本来なら戦勝国クラブの国連安保理常任国としての資格を疑われてしかるべき国々だ。

 世界の平和のためには露・中の軍事力を背景とした領土拡大策を諦めさせる必要がある。先の敗戦国だった独・日だけに「反省」を求めるのではなく、独・日に勝ったとする他の欧米諸国こそ15世紀から20世紀にかけて世界各地を植民地化しそれらの土地の文明破壊してきた非を詫び真摯な反省を表明すべきだ。
 そして軍事力を背景として二度と他国民や他地域を支配あるいぁは抑圧しないと宣誓すべきだ。日・独が遅れて帝国主義諸国クラブの仲間入りをした結果、様々な軋轢を生じたのが世界大戦の遠因となったのも事実だ。日本とドイツだけが70年前の敗戦を謝罪したところで、戦勝国も謝罪しなければ彼らがやった帝国主義政策が容認されたままである、という事態解消にはなっていない。ここでも「喧嘩両成敗」は生きている。

 欧米諸国も世界人類に対して真摯な反省を行って、二度と軍事力を背景とした他国民や他地域を支配し他国民や他地域の民族を抑圧しないと宣言することが根本的な露・中の企みを砕く原動力になるだろう。戦勝国として大きな顔をしている欧米諸国こそが過去を「反省」し「謝罪」し、自らが他国民の血によって繫栄を謳歌した自国の歴史をしっかりと認識することこそが必要なのではないだろうか。
 国連とはそうした「二度と再び武力による紛争解決を図らない国々の集合体であり、国家間の平和的紛争解決機関」と宣言して、戦勝国クラブではなく民主的な運営機関に改編すべきだ。現状の軍事大国の利害調整機関に過ぎない国連では未来永劫に世界平和は実現できないだろう。


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