中国は信用できる国か。

 日本政府はAIIBへの参加を当分見送るという。適切な判断だと思う。それは参加した場合、日本が負担する拠出金が1000億円程とみられる半面、それに見合った「融資の議決権」が全く与えられそうにないからだ。
 既に中国はAIIB本部を北京に置き、総裁は中国人とすると決めているようだ。しかもAIIB総裁は中共の指揮下に置き、実質は主席がハンドリングできる仕組みになっているという。

 中共政府の中国は信用ならない国だ。日中国交回復以来、中共の中国が経済的にテイクオフすべく資金援助と投資を積極的に行ってきたのは間違いなく日本だ。今日の中国があるのは日本のお蔭といっても差し支えない。
 しかし中共政府は恩を仇で返している。むしろ中国の経済成長を手助けしたことにより、日本の安全が脅かされる、という飛んでもない事態になっている。親中派マスメディアや政治家たちは今日の現状をどのように見ているのだろうか。

 先の戦争に関するすべての恩讐は日中国交回復時に「乗り越え」たはずだ。しかし、それ以後事ある毎に中共政府は乗り越えたはずの先の大戦の「日本の戦争犯罪」を持ち出し、しかも史実でない捏造した歴史を振り回して日本を貶め続けてきた。
 中共政府は自分たちが中国国民や周辺諸国に行っている虐殺と侵略には口を拭って、反日テレビドラマを大量に放送し、反日報道と相俟って国民に反日感情を植え付けてきた。

 ここに来て、中共政府は瓦解の危機に瀕している。それは膨大になった経済成長規模に政治形態の近代化が追いつかなかったからだ。不思議なことに社会主義国にして社会保障制度が不備なまま放置され、あってはならない所得格差が19世紀の英国の見られた原資資本主義よりも更に酷い貧富の差が拡大している。
 今の中国は全体主義に陥りがちな社会主義の悪弊と、絶望的な所得格差をもたらす原資資本主義の悪弊の両方が出現した国だ。その矛盾を「保八」政策で誤魔化してきたが、経済成長が鈍化した現在ではどうしようもなくなった。中共政府は政府投資で経済を引っ張るしかないが、その政府資金も外資の引き揚げにあって先細りになっている。そこで打ってきた手がAIIBだ。体よく諸外国から資金を巻き上げる腹積もりだ。しかし肝心要の日米が入らなくては巻き上げられる資金の知れている。

 既に有数の不動産企業がデフォルトしているし、それに関連してシャドーバンクも連鎖して倒産している。シャドーバンクというが、それらが地方政府に直結しているのは公然の秘密だ。中央銀行に不動産投資のバブル崩壊が波及するのは時間の問題だ。
 欧州諸国がAIIBに参加を決めたのは彼らの国々をハンドリングしている金融や保険などの企業が政府を動かしたからに他ならない。欧州諸国は19世紀から20世紀にかけては軍事力で中国を蚕食した国が、今度は金融や保険で中国を蚕食しようと目論んでいる。しかし日本はそうした企てに関わってはならない。むしろ中共政府の中国が一日も早く崩壊し、世界経済に与える経済的な影響が少しでも少なくしなければならない。一日遅れればそれだけバブルは膨らんでいく。

 中共政府がデフォルトしたなら、中共政府指導者たちは国外へ逃亡するしかない。国内に留まっていたなら間違いなく殺害される、と中国四千年の歴史が教えている。そんな中共政府の中国が信用できるだろうか。そして日本は欧州諸国のように火事場をハイエナのように漁って利益を貪れるだろうか。


このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。