老人の年金制度と所得税制を根本的に改めよ。

 御用評論家たちは早くも65才年金受給開始を70才からの受給と選択できるようにして、70才から受給すればより多くの年金額が受給できるようにしてはどうかとのキャンペーンを始めている。そうした議論の趣旨が解らないでもないが、年金格差を放置したままの帳尻合わせだけをしようとする議論には賛成できない。
 年金の支給額に大きな格差がある現状を「社会保障制度」の歴史が異なるから格差があるのは仕方ない、という理屈で数倍もの支給額格差を放置して良いというのでは日本の門金制度は「社会保障」ではなく、現役時代の職業別による差別制度でしかない。

 なぜ年金の支給額を一律に出来ないのだろうか。現役時代は個々人の才能と努力により所得に格差が生じるのは是認すべきだが、それでも所得格差を是正すべく所得税による「富の再配分」作用を強化すべきだろう。
 しかし現役から退いてまで現役時代の加入年金制度による年金支給額の大きな格差が存在する現状は「社会保障制度」とは言い難い。それは「職業別差別年金制度」とでも改名すべきだ。

 むしろ年金は一律支給に制度統一を早急に実施して、年金支給世代に対する所得税制を「働けば働くほど所得が増える」制度に改正すべきだ。ただ、株式配当や不動産所得など富の蓄積による所得に関しては配慮する必要はないが、65才を過ぎても働く人たちの所得税率は大幅に緩和すべきだ。
 70才から受給を選択していても明日の命がどうなるか解らないのが老人たちだ。65才を過ぎれば年金を受給してゆっくりしたいが、それでも家庭の事情によりより多くの所得が必要な人は働くことも選択できる途を残す必要がある。ただ基本的に年金はすべての国民に一律支給が大前提だ。それが社会保障の基本的な在り方だ。

 年を重ねれば外面的な年齢印象と同じく、個人的な機能格差は大きくなる。ある人は腰や膝に障害を抱えるようになるかも知れないし、加齢による視力障害や聴力障害を抱えるようになるかも知れない。そうした個々人の人としての能力格差が拡大するのが老人世代だ。
 元気な人は働いてより多くの所得を手にすれば良いが、現役時代と同等以上の働きは望むべきもないだろう。根を詰める仕事は長続きしなくなるし、力仕事はなおさら無理だ。それでも働く老人は所得税は年金と合わせて年収が平均労働所得に達するまでは大幅に軽減すべきだ。現役の人たちと同等の所得税を課すのは酷というしかない。

 そうした税制により老人世代の勤労意欲を刺激すれば良い。ただ「不労所得」に対しては現役世代の人たちと同様の所得税を課せば良い。
 大前提は「年金の一律支給」だ。現行の年金支給格差のある年金制度は「社会保障」とは無縁のものだ。それは年金に名を借りた職業別差別というべきものでしかない。


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