思い上がる人たち。

<奈良県桜井市初瀬の長谷寺本堂(1650年建立、国宝)や、同県明日香村岡の岡寺仁王門(1612年建立、国重要文化財)など2寺の計16棟で、油のような液体がかけられた跡が相次いで見つかり、両寺が4日に県警に届け出た。桜井署と橿原署は、文化財保護法違反容疑などで捜査を始めた>(以上「毎日新聞」引用)

 どんな動機があるにしろ、由緒正しい歴史と美術的価値のある文化財を棄損することは許されない。それは時空を超えて子々孫々に継承されるべきものであって、日本の国家と国民にとってアイデンティティーの拠り所だからだ。
 しかし昨今はこうした文化財やその山門や塀などに対してスプレーなどで落書きをする愚かな人が絶たないようだ。何をどのように思い上がれば自己の行為が正当化できるのか、彼らにじっくりと訊いてみたいものだ。

 今日にも沖縄を訪れた菅官房長官が翁長沖縄県知事と会談するという。散々これまで上京した翁長氏との面会を拒否してきた菅氏が米軍住宅地の一部返還式典に沖縄を訪れた際に翁長氏と面談するというのだ。
 面談の際に菅氏は普天間基地移設には辺野古沖移設しかないことを知事に説明したいという。最初から「辺野古移設だ」との結論ありきの話を翁長氏が聞いても仕方ないのではないかと思う。

 沖縄県民の総意は辺野古沖移設反対と何度もの選挙結果で表明されている。もちろん普天間基地の問題は深刻で、早急に普天間基地は閉鎖して基地の土地を返還すべきだ。その「返還」と「辺野古移設」がセットでしか論じられないというのは安倍自公政府の思考の貧困でしかない。
 普天間基地に駐留しているのは「殴り込み隊」の米軍海兵隊だ。最精鋭といわれる部隊だが、現実としては精神修養の部隊に過ぎず、海兵隊の唯一の任務・敵前上陸作戦は既に過去の戦術と化している。つまり米軍の中で海兵隊は消え去るべき運命の軍隊なのだ。

 米軍からすれば日本の安倍自公政府が執拗に辺野古沖移設に拘り、日本国内で反米運動に火がつく方が基地の新調が遅れることよりも恐ろしいだろう。なにしろ日本国内の基地に駐留する米軍は米軍全体で比較すれば安上がりで戦略的にも敵基地に近く格好の基地を確保することだからだ。
 安倍自公政権は沖縄県民を舐め、思い上がっていないだろうか。仲井真前沖縄県知事も「辺野古沖移設反対」を公約にして当選した知事だった。それを3000億円の特別補助金で「転がし」て公有水面埋め立ての『知事承認』を引き出した。転がされた知事も情けないが、札束を積み上げて知事を転がした安倍自公政府も品位のない下種だと批判するしかない。

 普天間基地の返還はもちろん悲願だし実施すべきだが、その代替基地を準備する必要が日本政府にあるのだろうか。米軍の海兵隊は戦術的に時代遅れのものだから、速やかに本国に引き揚げてくれ、となぜ言えないのだろうか。
 沖縄の自然を破壊して沖縄の民主主義を踏み躙って、日本の国家と国民が何を得るというのだろうか。言明しておくが、米軍は米国の国益のためには出撃するが、純粋に日本の安全保障のためだけに兵士たちの血を流すことはない。日米安全保障条約に米軍が日本の安全のために軍を動かすには「米国議会」の同意が必要だと明記してある。

 そんな現地の軍の判断で出撃しない米軍に日本の安全保障を託している現実に日本政府は危機感を持つべきだ。日本の安全は日本の自衛隊が守るというのが基本だということと、何よりも国民の総意が日本の安全保障のために自衛隊が出撃するのに必要だということを日本政府は心しておくべきだ。
 米国のためには日本国憲法さえも無視できる、と思い上がった人たちが安倍自公政権のすべてだ。思い上がる人たちには何を言っても無駄かもしれないが、それなら「思い上がらない」「転ばない」政治家を選挙で選出するしかない。彼らは文化財を棄損する人たちと同等で、日本国憲法を無視して立憲主義を否定している。


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