地方創生はかつての「地域おこし」と同じく失敗するだろう。

 政府は地方創生に地方自治体から要請があれば中央省庁の職員や大学の教授など「地方創生コンシェルジュ」として派遣するという。地方主体の創生を謳っていた政府だが、地方にそうした創生事業を統括し統制する人材に不足していると見たのだろう。
 しかしそれなら1980年代から1990年代に盛んだった「地域おこし」となんら変わらない。当時は竹下内閣による「ふるさと創生1億円」などという飛んでもない事業が全国で展開され、金のこけしが出来たり1億円分の宝くじを購入したり、温泉を掘って村の公衆浴場を造ったりしたものだ。

 だが「地域おこし」事業が本当に今も地域を興しているものが何件あるだろうか。当時も地域おこしの相談相手として全国の大学教授たちが格好のバイトとして動員されたものだ。彼らは地域住民に薀蓄を垂れ、事業の展開手法などを指導して回ったが、結局結実して地域が繁栄しているのを寡聞にして知らない。
 当時は大分県が脚光を浴びて「桃栗育ててハワイへ行こう」をキャッチフレーズに一村一品運動で成果を上げていた。今もそうした事業の名残はあるものの、一村一品運動で地方が創生できるものではない。ましてや「町並み保存」は観光客を一度はひきつけるものの、地方創生の起爆剤になるとも思えない。

 やはり「恒産なくして恒心なし」だ。地方から出て行った企業が地方に回帰することで安定的な雇用を提供しなければ若者も地方へ回帰して来ないだろう。若者のいなくなった地方に一体どれほど時間が残されていると考えているのだろうか。
 ほとんどの地方自治体が「消滅の危機」を訴えている深刻さが解らないのだろうか。能天気に「地方創生コンシェルジュ」を派遣してやるぜ、などと上から目線で見下ろして札束をヒラヒラさせる地方統制補助金制度を一体いつまでこの国は利用するのだろうか。その補助金に「人材までつけてやろう」とはお節介もほどほどにすべきだ。

 そうした愚策の「地方創生ごっこ」にウツツを抜かす暇があったら、なぜUターン投資減税と、中国の地方政府や人治制度の中国民法に痛めつけられている中国へ進出して企業経営者を救済しようとしないのだろうか。中国へ進出するのを大いに煽った経産省やジェトロは逆経産省や逆ジェトロの役割をきっちりと果たすべきだ。
 Uターン投資減税に「中国進出企業の損切り」分も低利融資で保障するから帰って来いと促すべきだ。そうした資金は異次元金融緩和で地方銀行にもフンダンにある。地方自治体が信用保証すれば済む話だ。その保証債務の引き当てに地方創生資金を使えば良いだけの話だ。まず地方に企業展開を促すべきだが、それらの企業とは中国からのUターンにより創ればよい。


このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。