低年金・無年金対策を10%増税の取引に使うとは何事か。

 政府は来年度予算で低年金・無年金対策費を計上しなかった。それは10%増税後だという。それでは8%増税は一体なんだったのだろうか。
 マスメディアは消費増税は社会保障費の財源のために必要だ、と増税前に国民世論を宥める論評を繰り返し掲載していたが、消費増税が実施されても社会福祉は後退する、というのでは話にならない。ましてや低年金・無年金で明日の暮らしに事欠いている老人に対して、それは10%増税後まで待てというのでは空手形もいいとこだ。官僚・政府の香具師並の増税手口と、それに随伴したマスメディアの責任は重いといわざるを得ない。

 税の機能として「富の再配分」がある。それは直接税において機能するが、消費税などのように貧富の別なく課税される間接税に関しては機能しない。しかも食糧費などの生存にかかわる消費に関してまでも8%を課税するというのは貧乏人は死ねと言うに等しい。
 かの重税・高福祉国家たるスウェーデンですら食糧費への消費税は7%に軽減している。他の税率が25%だから日本はまだまだスウェーデンと比較すれば低いなどと能天気な論評をするバカな評論家がいるが、飛んでもないことだ。しかもスウェーデンでは医療費や教育費は基本的に無料だ。日本の高コスト社会とは比較にならないだろう。

 租税と所得のあり方を論じるなら、負担から給付を差し引いた「純公的負担率」で比較すべきだ。スウェーデンは負担も大きいが給付も手厚い、よって純公的負担率は14%台になっている。翻って日本の純公的負担率は17%とスウェーデンよりも国民の負担割合は大きいといわざるを得ない。
 乳・幼児の受け皿として待機児童解消も大切だが、子ども手当を増額して育児休暇制度を充実すれば待機児童問題は解消するのではないだろうか。多くの母親は好き好んで仕事場へ乳・幼児を預けて出掛けようとは思わないだろう。生活のために已む無くそうしている人たちが多いと思われる。

 待機児童解消のため、と称して保育事業費の増加を目論むのは本末転倒ではないだろうか。乳・幼児にとって母親の存在がいかに大きいかは育児専門家の言を俟つまでもないだろう。
 そうした予算獲得の道具として「おためごかし」が大手を振っている現実に目を向けるべきだ。


このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。