TPPは現代版の対中ブロック経済圏だ。

 関税自主権を放棄するだけでなく、日本国内の経済制度や文化まで破壊しかねないTPPへの参加に反対する。もちろん自由貿易は日本にとって必要不可欠なことだ。しかし自由貿易は世界貿易協定WHOにより128ヶ国の参加を得て、それ祖へれの参加国が平等な理事となって話合を積み重ねてきた。
 その成果は
��世界貿易機関の設立について定めた国際条約は、正式名称を世界貿易機関を設立するマラケシュ協定といい、通常WTO設立協定またはWTO協定と呼ばれている。WTO設立協定は本体および附属書に含まれる各種協定からなる。

附属書は1から4まである。うち附属書1~3はWTO設立協定と一括受諾の対象とされており、WTO加盟国となるためには附属書1~3の全ても受諾しなければならない。附属書4は一括受諾の対象ではなく、受諾国間でのみ効力を有する。
附属書1 附属書1A 物品の貿易に関する多角的協定 (A) 1994年の関税及び貿易に関する一般協定(通称1994年のGATT)
(B) 農業に関する協定
(C) 衛生植物検疫措置の適用に関する協定(通称 SPS協定)
(D) 繊維及び繊維製品(衣類を含む。)に関する協定(通称繊維協定、2004年末に終了)
(E) 貿易の技術的障害に関する協定(通称 TBT協定)
(F) 貿易に関連する投資措置に関する協定(英語版)(通称 TRIMs協定)
(G) 1994年の関税及び貿易に関する一般協定第6条の実施に関する協定(通称アンチダンピング協定)
(H) 1994年の関税及び貿易に関する一般協定第7条の実施に関する協定(通称関税評価協定)
(I) 船積み前検査に関する協定
(J) 原産地規則に関する協定
(K) 輸入許可手続に関する協定
(L) 補助金及び相殺措置に関する協定
(M) セーフガードに関する協定
附属書1B サービスの貿易に関する一般協定(略称GATS)
附属書1C 知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(通称TRIPS協定)
附属書2 紛争解決に係る規則及び手続に関する了解(通称紛争解決了解)
附属書3 貿易政策審査制度
附属書4 複数国間貿易協定 (A) 民間航空機貿易に関する協定
(B) 政府調達に関する協定
(C) 国際酪農品協定(1997年末に終了)
(D) 国際牛肉協定(1997年末に終了)>(以上<>内は『ウィキペディア』より引用)となっている。

 WHOが世界128ヶ国の参加を得ているのに対してTPPは環太平洋の9ヶ国によるブロック経済圏の確立を目指しているように見えるが、実質的には参加国内の貿易額の大半を占める日米の協定に過ぎない。しかも圏内で最大の貿易国・中国を排除したもので、事実上の中国経済をブロックするものでしかない。
 日本が戦争へ突入せざるを得なくなったのも、米国を中心とするABCDブロック経済による「経済封鎖」にあって、原油や鉄鉱石などの輸入の途を断たれたからだ。いわば国際的なブロック国家群によるイジメにあって日本政府は国家として存立の危機に陥った。

 TPPは米国の世界戦略の一環として、ブロック経済圏を形成して取り囲み、中国を孤立化させるものだ。米国は日本と中国、日本と北朝鮮を対立させて、日米軍事同盟に日本が頼らざるを得ない状態を維持しようとしている。日本が米国と同盟を結んでいる限り、米国は太平洋の対岸の軍事的脅威を日本がブロックする役割を果たすとみているからだ。
 日米同盟は日本が米国を頼っているかのように偽装しているが、実態は日本の卓越した技術力と工業力を米国が取り込み、対中や対ロに優位な立場を維持しているに過ぎない。米国に世界覇権国家として軍事的・経済的な威力があるうちは現行のコバンザメ戦略を日本が取るのもあながち否定するものではないが、米国の国力に翳りが見えている現在、将来にわたって米国と従属的な関係を続けて日本の安全が保障されるのか、真摯に考えなければならない。

 日本の世界戦略として軍事的には当面は今後とも米国と組むにしても、TPPという強力なブロック貿易条約を結んで良いのか、将来にわたる国益を真剣に考える必要がある。確かに中国経済は破綻しつつあるが、中共政府は瓦解したとしても中国そのものがなくなるわけではない。
 反日の中共政府といかに協力関係を試みても無駄だが、中共政府に代わる政権が樹立されたなら、破綻した経済から立ち直るために日本が果たす役割は小さくないはずだ。強力なTPPというブロック経済に取り込まれていては、日本は米国に『ブロック』されて中国へのフリーハンドを封じられかねない。それは未来の国益を大きく毀損するものだ。

 現在の目の前にある国益も考慮しつつ、未来の国益をも考えるのが『戦略的外交』というものだ。日本はTPPに関して戦略的な外交の観点から、参加すべきではない。米国によるブロック経済圏の尖兵役を自ら買って出る必要は何処にあるだろうか。戦争へ踏み切らざるを得ない状況に米国が主導してABCDブロック経済圏で日本を追い込んだ歴史を忘れてはならない。
 人が成功体験を繰り返すように、国家も成功体験を繰り返すものだ。米国の世界戦略は1941年8月に完成させたABCD包囲網で日本を戦争へと追い込んだ年当時と少しも変わっていないことを忘れてはならない。


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