「人口減 危機感は同じ」は本当だろうか。

 今日も読売新聞に苦言を呈さざるを得ない。第一面の「自民300議席を超える勢い」は「赤勝て 白勝て」といった運動会のノリで選挙予測記事は「勝ち馬に乗れ」効果を相乗するようで感心しない。むしろ選挙民に各党の公約を論点ごとに要約した記事を繰り返し掲載すべきではないか。
 第二面の「人口減 危機感は同じ」に到っては何を考えているのか編集部の見識を疑う。安倍氏が「東京の好況感が地方へ伝わるには時間がかかる」と地方で妄言を吐いているようだが、その言葉を批判しなくて何を見ているのかといわざるを得ない。

 東京の好況感は異次元金融緩和による円安・株高効果に過ぎない。マトモな製造業や物品販売業が活況を呈しているのでないことは対前年同月比マイナスの統計資料から明らかだ。いわば兜町と一部先物買い市場が活況を呈しているに過ぎない。一本調子の円安相場で読み違える者はいないだろうし、安倍氏の年金基金20兆円の株式市場投機により株高が維持されると読むのも常識の範囲だろう。
 そうした金融バブルは消費者には輸入素材による消費材の高騰となって国民生活を直撃している。地方に好況の波及効果が及んでいないのではなく、地方に兜町のような金融業がないだけだ。東京に製造業の総本山があって、その製造業が活況を呈しているのなら地方へ伝播するのは時間の問題だが、東京にしかない兜町の活況をどうやって地方へ伝えるというのだろうか。

 人口減対策には子育て手当を大胆に支出することだ。公共事業には財源の当てもなく大盤振る舞いできたのだから、財源論を持ち出すのは筋違いだ。
 未来への投資なくして未来を語るのは詐欺に等しい。母親を家庭から引き剥がす政策を推進して「女性参画社会」とは笑止千万だ。それならまず魁より始めよ、で公務員や官僚の半分を助成にしてはどうだろうか。

 私の母親は専業主婦で家庭を守り三人の子供を育てた。私の妻も専業主婦として家庭を守り二人の子供を社会人に育成してくれた。決して専業主婦を安易な「職業」だとは思わない。
 しかし現代の子育て世代はかつての私たちのような「恒産」に恵まれていない。労働者全体の半分近くが派遣やパートなどの「非正規」雇用だということは子育てに暗い影を落としている。政府が派遣業法の規制撤廃を推進するのなら、子育て世代が安心して家庭を営み子を産み育てる「担保」を与えなければならない。それが充分な額の「子ども手当」だ。

 人口減社会は国家が滅びる序曲に過ぎない。移民政策を続ければこの国の風俗や文化は失われ、伝統も顧みられない単なる世界の一国家に成り果てるだろう。
 誇りある日本の文化や伝統を継承する主体はあくまでも日本国民でなければならない。安倍氏にそうした危機感があるとは到底思えない。


このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。