120円の危険水域に突入した「円」の下落が止まらない。

 120円の危険水域に突入した「円」の下落が止まらない。1ドル120円を付けた「円」が昨日も下落して121円になった。日本経済の指標として「円」価格を見た場合、この下落振りは日本「nothing」になりかねない状況だ。
 米国経済が好調感を取り戻したことからドルが買われるのは解るが、従来は米国へ輸出していた日本の「円」も同時に買われたものだ。しかも原油が1バレル60ドル台と、一時の140ドル台まで高騰していた頃と比較して半値以下になっている。それでも「円」が下落しているのは異常だ。

 確かに日銀の異次元というよりも常軌を逸した二度目の大金融緩和が11月に実施されたが、それでも本来の日本経済ならば国際相場で「円」の独り安状態にはならなかったはずだ。欧州諸国はオペックの原油安決定を一足早い「クリスマスプレゼント」だと好感を持って受け止められ、久しぶりにユーロ相場は安定している。
 ただロシアのプーチンだけが政治関係者を議会に集めて「欧米はロシアの敵だ」とブチ切れた。ロシアの経済規模は日本の約1/3で、そのGDPの6割は輸出に支えられ、輸出の8割は石油と天然ガスだ。その貴重な天然資源輸出はロシアのGDPを支える主力エンジンであるだけでなく、輸出先の欧州諸国を揺さぶる唯一最大の外交カードでもあった。そのカードが無効にされかねないだけでなく、資源輸出による潤沢な外貨で凍土の国土に暮らす国民生活を安定させ強固な政権支持基盤としていたプーチン政治が崩壊しかねない。サウジアラビアが主導する原油安戦略はそれほど絶大な影響力を世界に発揮している。

 本来なら原油安により日本経済は活況を呈していた手はずだ。週末には安くなったガソリンで都市住民は近場の温泉地などへ家族で車に乗って出掛けているはずだ。しかし円安と石油元売りが企業利益優先の販売戦略を立てて「寡占的」価格体系をいいことに1リットル150円台の高値に留まったままだ。なぜ経産省は石油元売り各社に市場原理を働かせるように指導しないのだろうか。1バレル140ドル台当時ですら1リットル160円台だったガソリンが1バレル60ドル台の半値以下に下落しても1リットル150円台というのは「円」が120円台に下落しているとはいえ、余りに市場原理が働かなさすぎだと公取の委員たちは感じないのだろうか。経最小の官僚たちも公取の官僚たちも揃って国民生活物資の価格に対して不感症になっているかのようだ。

 それにしても「円」の下落振りは異常だ。テレビなどの報道でも「米国経済が好調になってドルが買われて円が下落している」と叫んでいるが、米国経済が好調になったのは原油安による企業製造コストの引き下げが労働賃金に反映されたからだ。それによりクリスマスバーゲンが好調になっているのだ。
 翻って日本はどうだろうか。米国経済が好調になれば対米輸出が増えて日本の経済も引きずられて校長になるのが従来の景気モデルだった。しかし今回は日本経済だけが一人取り残されている。

 それらの元凶はすべて無策に過ぎた二年間のアベノミクスの結果であり、馬鹿げた消費増税の甚大な副作用だ。それでも「景気回復に、この道しかない」と叫ぶ政権を国民は選択するのだろうか。
 国民生活を困窮に追いやり、憲法を解釈改憲する暴走族さながらの暴走安倍政権を国民は本当に支持しているのだろうか。「円」は既に危険水域に踏み入れていて「日本NOTHING」が目の前に迫っているというのに、日本国民はそうした事態が予測できないほど「ぬるま湯」に頭の芯までノボセてしまっているのだろうか。


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