医療費削減のために70才以上の医療費自己負担を引き上げは社会保障の精神と合致するのか。

 この国の社会保障が後退しようとしている。<厚生労働省が、医療費の自己負担に上限を設ける高額療養費制度について、70歳以上の外来医療費の上限を引き上げる方向で検討に入ったことが30日、分かった。社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会で近く議論を始める>(以上『産経新聞』引用)
 増大する医療費を削減するために自己負担を増やすのは老人の受診機会を削減することに繋がる。貧乏な老人は病院へ行かずに早く死ねというメッセージだとしたら、この国の社会保障制度は完全に破綻へ向かっているとしかいいようがない。

 なぜ自己負担を増大させることで医療費の増大を抑制しようとするのだろうか。もっとも最悪な手法を採ろうとしているとしか思えない。
 カルテの電子化と一元管理をこのブログで再三提案している。カルテの電子化にかかる費用はそれぞれの医院や病院でカルテを統一したフォーマットで電子化すれば済むわけで、それにより医院や病院での患者別カルテ管理は格段に合理化出来てカルテ管理費の削減は飛躍的に実現するだろう。

 国家による一元管理というと電算業界が莫大な開発費やメインフレームの売り込みに鎬を削るかもしれないが、既に国民は住基ネットのバカ高い開発費や維持管理費に目玉が飛び出るほど驚いている。二度と同じような電算化に無知な官僚と電算業界とのタッグ・ボッタクリを国民は許さない。
 一般家庭に入っているPCですらi7仕様のCPUではクワッドコアが使われている。普通の市販PCですら内蔵されているHDDの容量は普通に1Tのものが出回っている。国民すべての画像込カルテ情報を処理したところで数台の市販PCで充分に処理できる程度のものでしかない。

 数百万円のサーバーを利用すれば安定的に全国のカルテ情報を一元管理出来るだろう。それほどIT機器は処理能力とデータ登録・管理で飛躍的な発展を遂げている。全国各地の医院や病院でどのような症状の患者にどのような医療が施され、治療に対してどのような検査や医療機器や薬剤が使用されたかが全国的に把握できるだけでなく、各地の医院や病院経営でも有効に利用できるはずだ。
 それのみならず、患者の個人情報が全国で検索できるため、患者の既往症や薬剤ショックやアレルギーなどが治療の事前に解るため、医療事故も未然防止できるだろう。もちろん医師は技量が公開されることに繋がるため、反対するかもしれないが、技量や知識のない医師は医療現場から排除されるべきだ。

 そうした医療の質の確保のためにも全国仕様のカルテは必要で、その一元管理はマイナンバー制度導入時に合わせて考えておくべきだ。各官庁でバラバラな国民情報管理を統合するためにも政府は内閣に情報庁を設置して、万全なセキュリティーの下に運用するIT国家戦略設計に着手すべきだ。そうすれば重複や過誤医療は防げ、医療費削減につながる。
 個人負担を増やして国民を医療から遠ざける政治を行うのではなく、国民に安心と安全を身近にすると同時に無駄な医療費削減につながるカルテの電子化と国家による一元管理制度を導入すべきだ。


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