貧困家庭の子供に公的支援の拡大を。

<厚生労働省は15日、2013年の「国民生活基礎調査」を公表した。お金の面で普通の暮らしが難しい人の割合を示す「相対的貧困率」(12年)は16.1%で、記録が残る1985年以降、過去最悪だった前回調査(09年、16%)より0.1ポイント悪化した。17歳以下の子どもの貧困率は前回を0.6ポイント上回る16.3%に達し、初めて全体の貧困率を上回った>(以上『毎日新聞』引用)
 少子対策は未来への投資だと、このブログで繰り返し書いてきた。子供は国の宝だ。この国の未来は間違いなく子供たちの肩にかかる。今を生きる大人たちは早晩消え去り、成長した子供たちが日本を支える。そしてその成長した子供たちが次世代の子供たちを育む。こうした連鎖で世代交代が行われ、国家としての永続性が保たれる。

 しかし現代の日本は必ずしも「永続性」が保たれているとは言い難い。出生率1.41では人口減社会であることに変わりなく、日本は国力を喪失し続ける国家である。
 この国の膨大な社会インフラを支えるには膨大な予算が必要なのは論を俟たない。少子社会が続けばいつの日にか社会インフラを支える予算が基本税収を上回り、国家を支えている仕組みが崩壊するのは目に見えている。絵空事を言っているのではない、このまま少子社会が続けばいつの日にか私たちの子孫は赤錆びたレインボーブリッジが崩落するのを目撃することになるだろう。

 少子社会を政府が容認するなら、絶え間ないダウンサイジングを社会政策に織り込まなければならなくなるだろう。年金制度の崩壊だけでは済まない、学校制度も崩壊するだろうし、医療制度も崩壊するだろう。潤沢な予算がなくなれば政府は打つ手が何もなくなる。
 だから、このブログで繰り返し書いているのだ。少子対策は未来への投資、だと。未来への投資を怠れば、現在の恵まれた遺産を食い潰すだけだ。
 問題なのは子供だけではない、老老介護が50%を超えたという。80代の親の介護に疲れて60代の子供が親を殺害する、という悲惨な事件も起きている。あるいは90代の配偶者を80代の老人が殺害する事件も起きている。

 全国の半数近い町が消滅する、という報道もあった。なにも脅しではなく、地方に暮らせば実感として少子化により社会は崩壊すると思わざるを得ない。周囲を見回せば限界集落だらけだ。
 若者の雇用吸収力を失った地方は消滅するしかない。なぜそうなったのか、大きな原因は『グローバル社会』の掛け声だ。それにより地方の生産工場が中国や韓国や東南アジアへ移転した。地方の若者雇用力は激減し、やむなく若者は都会へ出るしかなくなった。

 官僚や政府は経済特区などと悠長な利権集団作りをやっている場合ではない。グローバリズムなどという日本破壊宣伝活動に惑わされた愚かな経営者により海外移転した企業投資を国内へ取り戻すのが喫緊の政治課題だ。
 だからUターン投資減税をすべきと提言してきた。何であれ、損切りしてでも中国などへ進出した企業を国内へ回帰させるべきで、そのための金融援助や投資減税などを惜しんではならない。漠とした法人減税にどれほどの政策効果があるというのだろうか。馬鹿げた経済政策もほどほどにしなければならない。

 国内投資に海外投資を呼び込むのが必ずしも国家の未来に良いとは思えない。韓国を見れば歴然としている。企業利益は投資家に持ち去られ、労働分配率は株主の圧力により低く抑えられて国民経済を悪化させる元だ。
 グローバル化を唱え出してから、この国の経済環境が良くなったことが何かあるだろうか。唯一企業の内部留保が増加したことを除いて。それがグローバリゼーションの正体だ。1%対99%の戦いの中に日本社会は突入させられている。政府に巣食った新自由主義を唱える米国の行政改革要請を忠実に果たそうとする者たちによって。

 集団的自衛権騒動は憲法判断を最高裁に求めれば良いだけのことであり、国民のすべてが議論すべきは少子対策だ。安倍氏が描いている『集団的自衛権』は米国の戦争大好き集団に『自衛隊を好きに使って』という話に過ぎず、日本の未来にとってどれほどのことを考えているのか疑わしい。
 貧困家庭の子供が明日に懸念を抱かずに成長できる環境を日本国民の総意で提供すべきだ。貧困家庭の子弟の進学率が低いというのはこの国の特記事項ではないが、日本では貧困家庭の子弟の進学に家庭の経済状態が何ら影響を及ぼしていない、という事実をこの国の特記事項にすべきだ。そのための予算を惜しんではならない。


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