国際開発銀行構想ーー習主席の夏の夜の打ち上げ花火か。

 ブリックスを巡っては『国際開発銀行構想』を打ち上げて、出資の過半数は中国が持つから参加しないかと誘っているようだ。いうまでもなく米国の第二の財布『世銀』への対抗策だから、当然のように日本と米国にお誘いはない。
 中国は自分が経済成長してきた自由主義貿易圏の恩恵を忘れて、中国が主役の国際金融秩序を新たに構築しようとしている。かつて日本が宮沢政権当時にアジアで『円』経済圏を作ろうとして米国の逆鱗に触れて一夜にして頓挫したことがあった。しかし米国経済にかつての力がないことを良いことに、中国は国際開発銀行を設立しようとしている。

 しかし中国は足元の国内経済が覚束なくなっているのを知らないのだろうか。それとも百も承知の上で素知らぬ振りをしているのだろうか。地方政府の莫大な隠れ借金やシャドーバンキングの膨れ上がった債務や経済成長の指標づくりのためだけに投資した不動産開発の不良債権化は目を覆うばかりだ。
 それにもかかわらず、習主席は『経済大国の大統領』気取りだ。人口が日本の10倍以上あって日本経済の2倍にも満たない経済大国とは聞いて呆れる。国内統治にもっと意を注ぎ、国民に皆保険と年金支給を行き渡らせることの方が先決ではないだろうか。

 中国の経済発展に大きく寄与してきた日本をはじめとする欧米諸国は中国の真の姿を知って、二度と中国の経済発展に力を貸さないだろうし、貸してはならない。中国は手にした経済力を国民のために使うのではなく、世界覇権のために使っている。とりわけ東・南シナ海への軍事的進出は悪辣極まりない。
 中国が貧困国であった頃、中国の軍事的脅威は日本に及んでいなかった。日本が手を貸して経済発展させたから大きな顔をしてノサバリだしたのだ。親しく緊密に付き合うべき仲間はキッチリと選別すべきだ。

 中国が打ち上げている『国際開発銀行』構想は夏の夜の打ち上げ花火に過ぎない。パッと開いた後の暗闇の方が一段と深い闇だということを、中国の習主席は知らないようだ。二度と日本は中国の経済成長に手を貸してはならない。


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