年金受給開始を75才からにすればオマケ付だよ、という制度は社会保障制度に馴染むのか。

 昨今厚労大臣が年金受給開始を75才からにしたら40数%増額する、という案を提起したとかでテレビなどに社会労務士などが登場して「その場合には86歳以上長生きすればオトクです」などと解説したりする。なぜ抜本的な議論をしないのだろうか。
 そもそも社会保障とは生活していく上で最低限を国が保障するという趣旨のはずだ。それが加入する制度によりマル優待遇の『共済年金』があるよ、そこそこ優遇の『厚生年金』があるよ、そしてとても生活できない『国民年金』もあるよ、という基本的に就職段階で発生する社会格差を老後の年金にも反映させる、というのが正しい社会保障制度のあり方なのだろうか。

 そもそも社会保障は『負担は応能で、支給は一律』というのが大原則だ。公務員になろうが、会社員になろうが、自営業や派遣で頑張ろうが、それは現役時代の話であって、引退した老後に何の関わりがあるというのだろうか。
 しかも受給年齢を遅くすればするほど『お得』というのは、社会保障制度のあり方として正しいのだろうか。一律に65才からなら65才からすべての国民に一律に年金支給するのが社会保障本来のあり方だ。その場合、天下りなどの引退後『お楽しみタイム』のある官僚は年金を直にもらう必要はないから、受給開始年齢を遅くしても構わない。その選択をした場合はオマケをつけちゃえ、というのは子供だましの駄菓子の当り券のようだ。

 一律支給で総所得が勤労者平均給与の50%を越える部分の年金は全額カットで良いのではないだろうか。それで天下り先の椅子を暖めている間は年金ゼロでも文句はないはずだ。それが嫌なら天下りを辞退して、他の引退した国民と同じ年金を受給してつつましく生活すれば良い。
 老人世帯に高額な年俸は必要ない。すでに子育ては終わり子弟の教育負担もなく、養う大勢の家族もいないケースが殆どだ。それなら一律支給された年金を夫婦で持ち寄り、死別するまで仲良く暮らすが良い。毎月のように海外旅行できる共済年金など老後世代に不要だ。そうしたカネがあればこの国の未来を支える子供手当てに回すべきではないだろうか。

 繰り返す、75才から年金受給開始を選択してもオマケは必要ないし、テレビで「それなら86歳以上長生きすればオトクなどと愚かな年金額計算を報道する必要もない。それより、現行のいびつな『財産権』化している年金制度そのものを議論すべきだ。そして社会保障の大原則『負担は応能で、支給は一律』に年金も回帰させるべきだ。老後にまで現役時代の格差を持ち込む愚行を、この国のこの先何年間続けるつもりなのだろうか。そして高額年金支給のために貧困層に過重な消費税を財源とするバカの二乗のような誤魔化し論理こそをマスメディアは問題にすべきだ。


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