現役の50%を維持するとした年金の根拠は。そんな小手先よりも年金制度の一元化の方が先ではないか。

 厚労省社会保障審議会の年金部会は<現役世代の平均収入に対して、夫婦2人のモデル世帯が受け取る年金額を示す「所得代替率」が、将来にわたって50%を上回ることを法律で約束しており、今年度は、現役世代の平均収入が34万8000円なのに対し、モデル世帯の年金額は満額で21万8000円で「所得代替率」は62.7%でした。
そして今回の「財政検証」では、中長期の経済成長率が1.4%の場合からマイナス0.4%の場合まで8つのケースで検証しました。
このうち経済が順調に成長するとした5つのケースでは、モデル世帯が受け取る年金額の「所得代替率」が現在の62.7%から、およそ30年後に51.0%から50.6%までの範囲に下がるものの、その後、2110年度まで一定になり、かろうじて50%を維持できるとしています>(以上『NHKデジタル』引用)と発表した。

 年金支給額を現役平均給与の50%以上を維持する、としているが、それは年金支給平均額であって、多い者は多いし、少ない者は少ない、というのが実態だ。それで普通の社会保障といえるだろうか。
 多く社会保険料を支払った者は年金支給額も多い、というのは納得できない。そして加入している年金制度によって年金支給額も異なる、というのはもっと納得できない。なぜなら職業に関わらず加入する年金制度が選択できる仕組みになっていないからだ。就職するに際して年金にこれほどの格差があることを政府はしっかり広報しているだろうか。

 マスメディアの報道の仕方も「年金『現役の5割』維持」という読売新聞の見出しも誤解を招くものだ。それはあくまでも『厚生年金加入者』の話であって、国民年金加入者は年金部会で議論の対象とすらされていない。それが差別でなくして一体何だろうか。
 年金とは社会保障制度の一つである。社会保障制度は『負担は応能で支給は一律』というのが大原則だ。その支給額に制度的・支払保険料別に格差を設けている現行年金制度が『社会保障』だとは決して思えない。テイの好い国営年金保険制度であり、そのように呼称を変えるべきだ。

 社会保障制度だというのなら一律支給に向かうべきだ。現役の5割支給などという文言に拘るべきではなく、加入年金制度はどうであれ暮らせる年金を支給するのが国家としての社会保障制度のあり方だ。特定の年金制度加入者たちだけが
潤沢な年金を手にして、特定の年金制度加入者は生活できない年金しか手に出来ない現行年金制度は社会保障の名の下に実施されている制度とは言い難い。
 国民年金平均支給月額5万4千円で、どうやって暮らせというのだろうか。それでも厚労官僚たちや政治家たちはマトモにこの国の年金制度を考えているというのだろうか。自分たちの年金の心配はさておき、そろそろ国民全体のための社会保障のあり方を議論してはどうだろうか。


このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。