メタンハイドレートの実用化を急げ。

 欧州の鉄鋼業者が新規工場を米国に造るという。なぜ米国かというと、その鍵はエネルギーだそうだ。
 欧州で使用しているエネルギーは中近東の石油・天然ガスやロシアの天然ガスだ。しかし価格が米国のシェールガスと比べて割高なうえ、安定供給という面ではウクライナ問題などで外交カードとしてロシアが取引材料とし、産業基盤を形成するエネルギーの安定供給という点で問題が大きい。それに比べて米国のシェールガスは欧州で消費している天然ガスの30%程度の価格で、電力料金も欧州諸国よりも米国の方が約27%割安だという。

 日本から中国や東南アジアへ展開した企業の多くは『安い労働力』がその動機だったが、安い労働力という魅力は中国内の賃金高騰や労働争議の頻発などにより急速に『安い労働力』神話は崩壊している。
 そして今後中国政府が本気で環境問題に取り組みざるを得ない状態にあることから、中国内で使用するエネルギー価格に環境改善コストを上乗せせざるを得なくなり、中国内で消費されるエネルギーコスト上昇は避けて通れないだろう。

 日本国内に産業を立地させ、Uターン促進のみならず海外資本の企業展開も呼び込む絵を描くためには割安なエネルギーを安定的に国内に供給する体制を国家として保障しなければならない。
 日本政府は電気料金値上げを当然のように認めているが、法人減税で優良企業を優遇するよりも、電気料金引き下げによりすべての企業を優遇する方が利益体質へ転換できる事は自明の理だ。電気料金の低下にはエネルギーの供給原価を低下させるしかない。政府は米国に対してシェールガスの日本への輸出拡大を強く要請すべきだ。

 それと同時に、日本近海の海底に大量にあるとされているメタンハイドレートの実用化を急ぐべきだ。今のところ2018年実用化に向けて政府は研究機関と取り組んでいるようだが、なぜ太平洋側の1000メートルもの深海で開発しようとしているのだろうか。日本海側の佐渡島近海で開発すれば海も浅く、陸地からそれほど離れていない。開発が成功した暁に実用化コストが低く抑えられると思われる。
 メタンハイドレートは実用化不可能だと断定する研究者もいるが、それは開発技術面のネックを指摘しているのではなく、コスト面のネックを指摘してのことだ。それなら解決できる余地はある。米国のシェールガスもその存在は早くから分かっていた。ただ採掘するコストが実用化に折り合わないとされていただけだ。

 新規エネルギー開発には様々な隘路がある。だから『新規開発』なのだ。隘路がなければ早々と実用化されていたはずだ。
 日本近海の海底に莫大な埋蔵量が確認されているハイドロメタンの実用化は日本の未来を大きく左右する。国家プロジェクトとして取り組むべきだし、そうした場合に政府予算に潜り込もうとする似非・科学者や似非・研究者が横行するものだが、官僚たちの利権化と併せて政治家は目を光らせるべきだ。そしてそれにも増して正常なマスメディアが第三の権力として目を光らせるべきなのだが、この国のマスメディアには期待できない現実がある。残るは真面目な研究者たちがネットに逐次現況報告されることを願うしかない。この国の未来のために良心ある研究者たちの政府機関への叱咤激励をネット上に見られることを切に願う。


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