TPPゴリ押しするテレビ局は能天気にもTPPにより業界が一変すると予想できないようだ。

 辛坊某がキャスターを務める朝の報道番組を視聴していた。彼の米国追従、安倍政権持ち上げにはウンザリしている一人だが、TPPを取り上げて「論客」に議論させて、結局はTPP推進の結論を辛坊某が述べて締めくくった。
 テレビなどのマスメディアが政府広報機関になって久しいが、このテレビ局のあからさまさには驚く。しゃべり言葉の遅い山田正彦氏をTPP反対の論者に迎え、TPP推進論客にキャノンのシンクタンク社員と自民党の西田氏を対峙させるという山田氏不利の状況で議論を進めた。

 当然山田氏はTPP参加により医療や教育まで米国流にされる、と至極まっとうな話をしていたが、キャノンの社員はTPPの範囲に医療や教育は入らない、と現在議論されている関税率と貿易総額の話に限定して反論を述べた。
 TPPに関して問題なのは一旦参加すれば抜け出せない決まりになっていることと、非関税障壁があることだ。そこを討議しないで、現在マスメディアが大きく問題として宣伝している農業五品目の関税率に限定した議論に矮小化していたのに辛坊某とテレビ局の意図を感じる。

 TPP参加により日本の医療制度や教育制度、さらには契約や交渉などの場で使用される言語などまで「非関税障壁」だと認定されかねないことを指摘するのは当たり前のことだ。
 国際的な交渉であらゆる事態を想定しないで、限定的に目の前のマターだけを議論するのは賢明とはいえない。キャノンのシンクタンク社員は本社の最大利益のために行動するのは当たり前で、国家がどうなろうと日本国民がどうなろうと知ったことではない、というのが彼らの企業が海外展開して企業の最大利益を行動原理にしてきたことからしても明白だ。自民党の西川氏は一体誰の利益代表なのか、農業五品目を守れと叫んでいた人の無原則な変貌には驚かざるを得ない。

 TPPは戦前のブロック経済とどこが異なるというのだろうか。世界にはWTOが既にある。経産省のホームページの説明にはとある。べつにTPPに参加しなくても、日本はWTOの世界の多くの国が加入している貿易協定の中で活動すれば良い。なにも米国の三下になって中国に圧力をかける必要もない。軍事的な局面と、経済・貿易的な局面とは異なる。日本は米国と軍事的な局面で協力することを確約しているが、全面的に米国のポチになったのではない。日本は独立国家として日本国と日本国民の最大利益のために行動すべきだ。

 どの選択が未来の日本国民にとってより幸福かを考えるべきだ。自民党の政治家はどこまで米国に追従するつもりなのだろうか。まさか永久に米国に追従すると決めているのではないだろう。
 日本はアジアに存在している。いつの日にか民主化した中国や人間として成熟した韓国民の国家と良好な関係を結ばなければならない。極東の安定を築き、アジア全体の安全と平和を築くのが日本のあるべき未来の責務だ。そうした観点から今日の国際関係を俯瞰して、懸命な諸選択をして行くべきだ。
 テレビなどの報道機関もTPP実施の暁に、非関税障壁としてこっぴどく米国の投資家たちに吊るし上げられないという保障は何もない。辛坊某はそうした深謀遠慮をした上で安倍政権に尻尾を振っているのだろうか。今日のギャラさえ手に入れば後輩たちがどうなろうと知ったことではないというのだろうか。


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