配偶者控除廃止に反対する。

 政府にとって結婚した配偶者が家庭にいては具合が悪いのだろうか。それとも男女とも結婚後も家庭を顧みずに働きに出ろということなのだろうか。
 かつて配偶者控除の他に特別配偶者控除まであった時代があった。その当時はそれなりに低所得世帯でも結婚した配偶者は専業主婦(夫)として家庭を守ることが出来た。しかし特別配偶者控除を廃止し、今度は配偶者控除まで廃止するという。その理由は少子社会により労働人口が減少した穴埋めに女性の社会進出を促そうとするもののようだ。

 しかし個々人の生き方に政府がそこまで立ち入って良いのだろうか。確かに所得税制上や社会保険料の関係で103万円や130万円の壁がある。しかしそれは最低課税限度額を引き上げれば壁も自然と引き上げられるはずだ。
 要は政府はどの所得層に対して手厚くしようとしているのか、という観点に関わって来る。税制の役割として本来なら低所得者に対して配慮すべきだが、政府はそうは考えていないようだ。パートであれ派遣であれ、主婦も働かなければ生活できないように負いこもうとしているかのようだ。

 税制審議会の面々の顔触れを見てみると良い。彼らに低所得層の悲哀が理解できるだろうか。貧困層のカギっ子がいかに悲惨かを御存じないのだろう。
 富裕層のカギっ子は両親が帰るまで塾なり家庭教師なりに勉強の面倒を見てもらえる。しかし貧困層のカギっ子は小学校の間は放課後の児童教室へ通うしかないし、中学生になると自分で工夫して過ごすしかない。それで家庭教育が身に着くというのだろうか。主婦(夫)を目の仇にする配偶者控除廃止の動きには反対するしかない。

 しかるべき年齢に到った男女が所帯を持ち、子供を産み育む家庭があってこそ健全な子供は育つ。働くことこそが社会進出であり社会貢献だとする一元的な価値観を共有することは出来ない。
 むしろ十年なり十数年なり仕事からレイオフしても、子育てから手が離れた後に再び働ける社会環境を造る方が必要なのではないだろうか。現状の労働不足を埋め合わせるために主婦(夫)を家庭から刈り出したり、外国人労働者を大量に移民させようとする計画は長期的にこの国の不安定要因を増すことに他ならない。

 この国の人口減を外国人労働者移民で埋め合わせてはならないし、労働人口減を専業主婦(夫)を家庭から刈り出すことにより埋め合わせてはならない。長期的視点に立てば、子供手当を十分に支給して国が子育てに責任を持つ国家になるべきだ。そして出生率を2.01以上に回復すべく全力を注ぐべきだ。
 低所得層の男性でも安心して好ましい女性に求婚し、家庭を築いて子育てが出来る社会にすべきが喫緊の課題であるはずだ。子供は国家の宝だ。その宝を大事にしない国家に未来はない。


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