「眠れる獅子」は目覚めると同時に重篤な糖尿病の床にあった。

 中国の習近平主席が欧州諸国を歴訪し、行く先々で国賓待遇を受けているのに気をよくしているという。各国で習主席は尊大に振る舞いフランスではかつてナポレオンが中国を「眠れる獅子」と称した故事にちなみ「眠れる獅子は目覚めている」と強大な国家であることを誇ったようだ。
 確かに欧州諸国は中国にとって癪に違いない。1848年の英国とのアヘン戦争に敗北して以来、中国(当時は「清国」だったが)は欧米列強に蚕食された。国際的な都市になっている上海も当時は欧米列強の租借地とされ、中国人の扱いは犬以下だった。

 しかし日本に対して「歴史認識」を口にする習主席は欧州諸国に対しては「歴史認識」を口にしなかった。英国に到っては1848年から香港返還の1997年までの一世紀以上にわたる中国国土への蚕食を許していた。日本に関しては高々1894年の日清戦争以来、第二次大戦終戦の1945年までの半世紀に過ぎない。
 日本は中国に対して賠償を行い有償・無償の円借款を行いODAを実施してきた。それでも猶も中国は日本に「歴史認識」が足らないと、あたかも傲慢な教師のような顔をして、捏造した嘘の「歴史」を日本に押し付け、世界に向かって嘘を大宣伝する。これほどタチの悪い国があるだろうか。

 習主席は中国の経済力を背景に欧州各国の国賓待遇に対して傲岸な態度を崩さなかった。それは品格を欠く態度でしかなく、中国政府そのものが中国という土地に断続的に打ち立てられる国家がいかに関連を持たない単発的な成り上がり政権かを知らせるのに十分だろう。
 そして「眠れる獅子は目覚めた」と習主席は誇って見せたが、経済の実態を見る限りではたとえ健全な状態にあっても中国経済の屋台骨を支える製造業は部品を輸入して組み立てて売却する、という組立工場に過ぎず、技術の集積や基礎研究の集積を根本的に欠く砂上の楼閣に過ぎない。

 その上、中国の経済は崖っ淵に立っている。「眠れる獅子は目覚めると同時に重篤な糖尿病に罹っていた」というべきだろう。発行根拠のない元紙幣を刷りまくって空の国庫を国債で埋め尽くしているのは日本と大差ないが、中国の場合は国民経済が貧弱な点が日本と決定的に異なる。
 つまり日本は自由主義経済で土地や生産財を民間が所有しているが、中国は土地や生産財を国有として民間から賃借料名目でも絞り上げてきた。中国の公的国民負担は46㌫に達し、しかも反対給付の国家による社会保障は貧弱そのものだ。軍事政権というべき中国で暴動が年間10万件も発生している。全国で単発的に起こっている暴動がいつ連携と連帯を所有しだすか誰にも解らない。そうなった時、現代の「太平天国の乱」が始まる。糖尿病が余病を併発して命取りとなる瞬間だ。それは明日かもしれない。習主席はせいぜい今のうちに傲慢な態度でわが世の春を満喫しておくことだ。


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