ロシアはウクライナに介入してはならない。

 独立国家の大原則たる民族自決主義を軍事力で歪めてはならない。後々に永く禍根を残している国際紛争や自爆テロなどは大国による民族自決主義を歪めたことに起因するものが大半だ。
 毎日新聞によると<ウクライナのトゥルチノフ大統領代行は15日、同国東部ドネツク州で州政府庁舎や警察署などを占拠している親ロシア勢力の強制排除に着手したと発表した。インタファクス通信によると、同州北部クラマトルスクなどで暫定政権の特殊部隊と親ロシア勢力が衝突し、死傷者が出ている模様>(以上「毎日新聞」引用)だという。

 ウクライナ国内へロシア人保護を名目にロシアが軍事侵攻するなら国際社会はロシアを批判しなければならない。なぜならウクライナはもともとタタール人などの土地であった。そこへ旧ソ連時代、とりわけ第二次大戦後の冷戦時代にウクライナ東部やクリミア半島へロシア人を大量入植させて、ウクライナのロシア化を図ってきた歴史がある。
 ことにクリミア半島は軍事的要衝から第二次大戦後スターリンがドイツ侵攻に対してタタール人が協力したと言い掛かりをつけてクリミア半島から追放し、その跡地にロシア人を大量に入植させた。そうしたことからクリミア半島の人口に占めるロシア人の割合が過半数を超えていた。

 だからクリミア半島住民によるクリミア半島帰属を決める、という一見民主的な手法は騙しのテクニックに過ぎない。たとえば北方領土は終戦直後に火事場泥棒のように旧ソ連軍が侵攻し、北方領土に暮らしていた日本人1万5千人を追放した。スターリンは日本の北方領土でもクリミア半島と同じことをして、日本国民が追放された跡にロシア人を大量入植させた。
 その北方領土に暮らす人たちによる住民投票で帰属先を決めさせれば当然結果は明らかだろう。そしてその手法が民主的でないのも正しくないのも明白だ。同じことをロシアはクリミア半島のロシア人を扇動してやらしたのだ。国際世論は厳しくロシアを断罪すべきだ。

 さらにロシアはウクライナの東部も蚕食しようと目論み、ロシア人住民を扇動して州の庁舎や警察署などを不法占拠させた。そうした不法行為に対してロシアはウクライナ臨時政府が実力行使するのを待っているかのようだ。何を待っているのか、狙いは明白だ。
 ロシア人保護を名目にウクライナ東部国境に集結したロシア軍4万人で軍事侵攻しようというのだ。ウクライナとロシアとでは軍事力では圧倒的な差がある。ウクライナ正規軍はロシア軍の敵ではない。しかしロシアによる軍事侵攻に正当性は何もない。新たな国際紛争とロシア国内で末永く続くテロの芽を育てるだけだ。その愚策は米国が中近東で行い、中国がチベットやウィグル自治区で行ってきた。その模倣をロシアがウクライナでやろうとしている。

 国連の安保理とはなんだろうか。常任理事国5ヶ国のうち3ヶ国が未だに19世紀的帝国主義・領土拡大主義の残滓に酔っている。そうした酔っ払いの泥酔諸国が常任理事国だと大きな顔をしている。国連とは一体なんだろうか。
 現代の帝国主義国家の国際的な利害調整機関であり、彼らの正当性獲得機関なら現代世界は必要としていない。宇宙へでも行って勝手にドンパチ決闘して頂きたい。民族自決主義という大原則を掲げる国連の主要構成国家が、大原則を勝手に踏み躙っている現状に、他の200近い国家は異議を唱えてブーイングの嵐を吹かせよう。


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